だからこの恋心は消すことにした。
8.幸せなエピローグ
太陽が輝く空の下。
美しく整えられた離宮の庭には、離宮に住まう9人の最高階級の魔法使いたちを始め、私の家族や友人、それから仕事関係者らが数人集められていた。
彼らが並び立つ間には、2人並んで歩いても余裕のできるほどのスペースが作られており、その先には白いタキシードに身を包んだエイダンがいる。
太陽の光を受けキラキラと輝く金髪はまるで妖精の加護を受けたかのような美しさを放ち、私を見つめるアメジスト色の瞳は相変わらず宝石のようだった。
私の愛しい人が今、あそこで私を待ってくれている。
私の隣に立つ、父の腕に手を置いて、慣れないウエディングドレス姿でゆっくりと今日の式に参列してくれた列席者の間を通っていく。
「ラナ!おめでとう!」
カイがその瞳をうるうると潤ませながら、とても嬉しそうに笑っている。
「綺麗だわ、ラナ。おめでとう」
アランも少しだけ涙を溜めた瞳で私に微笑んでいる。
「幸せになれよ、ラナ」
マテオは優しい瞳でニカッと太陽の如く笑ってくれていた。
彼らだけではない。
ここにいるみんなが父と共に歩く私に暖かい言葉をかけてくれる。
そんな彼らに応えながら進んでいくと、やっとエイダンの側までやってきた。
エイダンの元まで私を送り届けた父が「ラナ、幸せにな」と少しだけ寂しそうに、だけど嬉しそうに笑って私から離れた。