「先生」って呼ばせないで

お誘い

「ただいま〜」


夜8時頃、お兄ちゃんが帰ってきた。


「おかえり!!」


お兄ちゃんは都内に一人暮らししているけど、私が心配だという理由で3日に1回はうちへ返ってくる。


過保護に愛されてる自覚があるし、そんなふうに接してくれるお兄ちゃんが私も大好きだ。


「あれ?今日は帰ってこないんじゃなかったの?」


「だって今日から乃蒼は新学期だろ?不安に思ってないか心配で」


「あのねぇ。もう乃蒼は高校生よ?心配しすぎなのよ」


お母さんは呆れているけど、私は嬉しい。


シスコン、ブラコンとよく言われるけど、好きなものはしかたない。


「いーじゃんいーじゃん。なぁ?乃蒼」


「うん!お兄ちゃん、あのね、ビッグニュースがあるんだよ」


お兄ちゃんがソファに座ったから、私もその隣に腰を下ろす。
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