ちびっこ聖女は悪魔姫~禁忌の子ですが、魔王パパと過保護従者に愛されすぎて困ってます!?~
「嬢ちゃんの正体は知らんが、坊ちゃんと一緒にいるってことはそれなりのモンなんだろう? 勝手にそう見込んで、伝言を頼みたい」
ルイーズとリュカは、きょとんと顔を見合わせながら頷いてみせる。
「お水のこと?」
「ああ。見りゃあわかると思うが……ジルダ湖がきれいになったおかげで、街の水不足も解消された。滞っていた水晶花の流通も再開して、民の笑顔も戻った」
「うん。このまえより明るくなった気がした」
「それもこれも、兄ちゃんらのおかげだ。本当にありがとう、と伝えてくれ」
彼はルイーズが解決したことを知っているわけではない。きっと今回の件は王であるエヴラールが解決したと思っているのだろう。
だけれど、心の底から感謝するような笑顔を向けられ、ルイーズははにかんだ。
「わかった。伝えておくね?」
「ああ、頼んだぞ。そんでまたうちのクレプアンを買いに来てくれや」
「うん。じゃあ、ありがとおじちゃん。またくるね」
ばいばい、と手を振って、ルイーズたちは大人たちのもとへと戻る。
「る、ルゥ……」
事実を知っているリュカは、いいの?と言わんばかりだ。だけれど、ルイーズはふるふると首を横に振って、繋いだリュカの手をぎゅっと握る。
「いまので十分だよ」
ルイーズが魔物を倒し、湖の水を丸ごと浄化したことで、水不足は解決した。
たしかにそれは事実だが、あれはさまざまなきっかけと偶然が重なって、結果的にそうなっただけ。そこに至るまでに民のため奮闘していたのは、エヴラールやグウェナエル、そしてリュカなのだ。
感謝をされるべきなのは、そうした道を作ってきた彼らだとルイーズは思う。