ちびっこ聖女は悪魔姫~禁忌の子ですが、魔王パパと過保護従者に愛されすぎて困ってます!?~



「おっ、このあいだの嬢ちゃんたちじゃねえか!」

「んふふ。あのね、美味しいのまた買いにきたよ。今日もシー、ね?」

 リュカと手を繋ぎながら駆け寄った先は、城下にあるクレプアンの屋台だ。

 さっそくルイーズたちに気がついた店主は、以前と変わらず気さくに「おう」と笑ってくれる。リュカは少しだけ申し訳なさそうに、ペコッと頭を下げた。

「くれ……くれぷあん、ください」

「ありがとな。今日もふたつでいいか?」

「ううん。むっつほしいの」

「六つ!?」

 驚く店主を前に、ルイーズは頷きながら振り返る。

 そこには控えている従者のほか、外套を纏い頭巾を被った大人がふたり。

「今日はね、ルゥたちのパパもいるんだ」

 認識阻害魔法をかけているため周囲には気づかれてはいないが、〝王〟と名のつく者たちだ。

 すでにリュカが〝王子〟だと知っている彼からすれば、わざわざグウェナエルたちが姿を明かさずとも察するには十分だろう。

 ぽかん、と大口を開けたあと、店主は慌ててクレプアンを焼き始めた。

「ほれ、嬢ちゃんたち。このまえみたく、花蜜たっぷりいれたからな」

 やがて焼きあがったクレプアンを持って、彼は屋台から顔を出す。

「やった。ありがと、おじちゃん」

「ありがとうございます……っ」

「おう。それから、ちょっといいか」

 店主はクレプアンをいれた袋を渡しながら、目の前にしゃがみこんだ。
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