ちびっこ聖女は悪魔姫~禁忌の子ですが、魔王パパと過保護従者に愛されすぎて困ってます!?~



 以前店主に教えてもらった休憩場でクレプアンを食べながら、ルイーズはぼんやりと考えた。

(うーん。ルゥって、結局どっちにもなれないんだろうなぁ)

 人と悪魔。両方の血を持つ、禁忌の子ども。

 そのうえ、ルイーズのなかには前世の自分がいる。何者かもわからない、自分である〝誰か〟の記憶が、欠片のように前世の記憶が散りばめられている。

(ルゥは、ルゥだけど……でも、ときどきわかんなくなるよ)

 どうあればいいのか。どうあるべきなのか。どうあらなければならないのか。

 答えの出ない疑問だ。きっと、一生。

 人であることも、悪魔であることもできない。

 前世の記憶がなくなれば、いまのルイーズですら保てなくなるかもしれない。

 直視したくない現実だが、ふと我に返ってしまうと、だめだった。

 足元があやふやで。

 どこに立っているのか、どこに向かっているのか、わからなくなって。

「わっ、ルゥ! たれてる! たれてるっ!」

 ぼーっとしていたのがいけなかったのだろう。
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