ちびっこ聖女は悪魔姫~禁忌の子ですが、魔王パパと過保護従者に愛されすぎて困ってます!?~
その意味を、リュカが本当の意味で理解しているのかはわからない。
けれど、いまはそれでもよかった。家族以外でルイーズに居場所を与えてくれようとする存在がいる。その事実が、ルイーズの心には響いたのだ。
(ひとりじゃないって……みんな、そう言ってくれる)
生まれも、立場も、存在も、変わることはない。
けれど、受け入れたからこそ進める道も、もしかしたらあるのかもしれない。
「……ルイーズ」
ふらふらと立ち上がったグウェナエルが、額を抑えながらもルイーズを呼んだ。
振り返ると、大きな手がぽすんと頭に乗せられる。
「そう不安にならないでいい」
「パパ……」
「俺をはじめ、ルイーズが生きていてくれるだけで幸せに思う者がいる。今後、限りなく広がっていく世界で、そういう存在はさらに増えていくだろう。おまえが大切に想う者も、おまえを大切に想う者も──とめどなく、一生な」
とめどなく、一生。
そのひとことがじんわりと熱を持って、ルイーズのなかに染み渡っていく。
見れば、ディオンもベアトリスもエヴラールもリュカも頷いていた。
(ねえ、ママ。……ルゥ、もしかしなくても、すんごく幸せだね)
ルイーズに〝聖女の睡宝〟を託したときのミラベルは、はたしてこんな未来を想像していたのだろうか。
小さな世界しか知らなかったルイーズが、外界に飛び出して。
大冒険を経て、父と再会し。
ベアトリスという新たな従者ができて。
魔界に飛んで、エヴラールやリュカと出会い。
くすぐったくなるくらいに愛されながら、未来へ歩んでゆこうとしている。