大嫌いなキミに愛をささやく日
「(煌人……うさんくさい笑顔)」



今の煌人を見ていると、なんだか胸の辺りが苦しくなってくるような。そんな気持ちになった。

杷木屋さんは、構わず立ち話を続ける。



「今のうちにご学友と自由を楽しむのがいいでしょうな。中学卒業後に留学をするやもしれませんし、高校卒業後は跡取りとして会社に貢献されるでしょうし。いやはや、ご活躍が楽しみだ」

「……ご期待に添えられるよう頑張ります」



ニコッと、愛想笑いで返す煌人。そんな煌人に、杷木屋さんは近くの店員を呼んだ。



「おい、ここの卓の会計はしなくていいからな。大事な取引先のご子息がいらっしゃるんだ」

「え、あの!」



店員が「分かりました」と頭を下げる横で、煌人がガタリと席を立つ。

その顔には「焦り」や「驚き」が浮かんでいる。だけど、その瞳の奥に「怒り」も含んでいるように見えた。



「ご配慮には感謝しますが、お断りさせていただきます」

「遠慮なさらず。私と鳳条グループの仲ではないですか」

「――いえ、」
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