大嫌いなキミに愛をささやく日
『……凛、』



私の頬に、スリっと自分の頭を寄せる煌人。

しばらくして離れたと思ったら、まだ近い距離に煌人がいた。


私たちの間には、たった10センチの距離しかない。


10センチしかない、と泣きそうになる私と。

その10センチさえも煩わしそうに思っているのか、顔を歪めて目をギラつかせる煌人。



『目、閉じて』

『え、なんで、目……?』



やだよ、怖いもん――と眉を下げて、俯きながら言った私。

そんな私に、煌人は今度こそためらいもなく、10センチの距離を0にする。



『もう待たない』

『え、』

『待ってあげないから、覚悟して』
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