大嫌いなキミに愛をささやく日
『っ! あ、』



煌人!!



パニックになって、名前を呼んだ時だった。

「はい」――と私の前に、缶ジュースが現れる。

一方の煌人は……羽交い絞めを受けていた。

いつもの執事さんによって。



『こんな体たらくな煌人様を見たら、奥様はなんとおっしゃるでしょうねぇ?』

『ニコニコ笑いながらプロレス技をかけるな!痛ぇ!!』



どうやら、いつの間にか戻って来た執事さんが場の状況を察し、煌人を捕まえてくれたみたい。

突然の事で驚いたけど……ホッと、思わず安心した。



『し、執事さん……。すみませ、』

『こういう時は”ありがとう”ですよ、凛お嬢様。おっと”お嬢様”呼びは、お嫌いでしたね。では……

お怪我はありませんでしたか、レディ?』
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