愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
(深刻な悩みかと思ったのに……!)
朝陽は時々こうやって成美をからかい、反応を楽しむ。
いつもは慌てたり恥ずかしがったりするだけの成美でも、本気で心配した分ムッとして、肩にかかる彼の腕を外した。
「ごめん、冗談だよ」
笑いながら謝った朝陽が、スッと真顔になる。
「考え事をしていたのは本当。君のお父さんについて考えていたんだ」
「え?」
「バージンロード、お父さんと一緒に歩きたかったと考えていたんじゃないか?」
「あっ……そうです」
成美が高校一年生の秋に父が行方をくらました話はしてある。
謝罪の手紙と離婚届を置いていったことも教えた。
朝陽は眉根を寄せて成美を見ている。
同情しているというより、納得いかないと言いたげな不満顔に見え、成美はうろたえた。
(借金があっても気にしないと言ってくれたのに、なにに引っかかっているの?)
「正直言うと、俺は君のお父さんを軽蔑している。自分だけ逃げだして、妻子に苦労させる卑怯者だと思っている」
成美は目を見開いた。
朝陽は時々こうやって成美をからかい、反応を楽しむ。
いつもは慌てたり恥ずかしがったりするだけの成美でも、本気で心配した分ムッとして、肩にかかる彼の腕を外した。
「ごめん、冗談だよ」
笑いながら謝った朝陽が、スッと真顔になる。
「考え事をしていたのは本当。君のお父さんについて考えていたんだ」
「え?」
「バージンロード、お父さんと一緒に歩きたかったと考えていたんじゃないか?」
「あっ……そうです」
成美が高校一年生の秋に父が行方をくらました話はしてある。
謝罪の手紙と離婚届を置いていったことも教えた。
朝陽は眉根を寄せて成美を見ている。
同情しているというより、納得いかないと言いたげな不満顔に見え、成美はうろたえた。
(借金があっても気にしないと言ってくれたのに、なにに引っかかっているの?)
「正直言うと、俺は君のお父さんを軽蔑している。自分だけ逃げだして、妻子に苦労させる卑怯者だと思っている」
成美は目を見開いた。