愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
お金のかかる私立の女子高に通い、複数の習い事をしていた娘に変わらぬ暮らしを続けさせたくて、父は焦って金策に乗り出し失敗したのだろう。
父の腕を引っ張り立たせてソファに座り直させた。
その隣に成美も腰を下ろし、つらそうな父の顔を覗き込む。
「最初の借金の時に打ち明けてくれたら、私は学校も習い事もすぐに辞めたのに。でもお父さんは言えなかったんだよね。私のせいで」
『行きたい高校に通わせてくれてありがとう。毎日が楽しいよ。私、もっと勉強を頑張るね』
高校一年生だった成美はことあるごとに、そのように両親に感謝を伝えていた。
真面目に頑張る娘の姿を見たら、借金があるから学校を辞めてほしいとは言えなかったのだろう。
打ち明けられない雰囲気にしてしまったのだと、成美はずっと悔やんできた。
唇を噛んだ父は膝の上で両手を握りしめ、声を震わせる。
「成美のせいではない。借金で首が回らなくなるまで言えなかったのは、父さんのくだらないプライドが原因だ。家族の前では頼れる存在でいたかった。自分ひとりでなんとかしてみせると……」
父の腕を引っ張り立たせてソファに座り直させた。
その隣に成美も腰を下ろし、つらそうな父の顔を覗き込む。
「最初の借金の時に打ち明けてくれたら、私は学校も習い事もすぐに辞めたのに。でもお父さんは言えなかったんだよね。私のせいで」
『行きたい高校に通わせてくれてありがとう。毎日が楽しいよ。私、もっと勉強を頑張るね』
高校一年生だった成美はことあるごとに、そのように両親に感謝を伝えていた。
真面目に頑張る娘の姿を見たら、借金があるから学校を辞めてほしいとは言えなかったのだろう。
打ち明けられない雰囲気にしてしまったのだと、成美はずっと悔やんできた。
唇を噛んだ父は膝の上で両手を握りしめ、声を震わせる。
「成美のせいではない。借金で首が回らなくなるまで言えなかったのは、父さんのくだらないプライドが原因だ。家族の前では頼れる存在でいたかった。自分ひとりでなんとかしてみせると……」