愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
「ですから、お父さんは自信を持ってください。私の資金援助を受けたとしても、あなたが立派に娘を育てた事実は変わらない。胸を張ってください。しかしプライドは抑えた方がいいでしょう」

自尊心が傷ついた状態の父は、プライドと言われてもピンときていないようだ。

「先ほど、言いましたよね。家族に借金を相談できなかったのは、頼れる存在でいたかったというプライドのせいだと。くだらないプライドは捨てるべきだったと後悔したのでしょう? でしたら、これに関してもプライドを捨ててください。成美さんのために、私からの資金援助を受けると約束してください」

父はしばらく考え込んでいたが、娘のためにと言われたら信念を曲げる決心がついたようだ。

朝陽に向けて深々と頭を下げる。

「資金援助を藤江さんにお願いします。本当にありがとうございます」

「喜んでお引き受けします。これで一件落着だ。よかった」

ひと仕事終えたように朝陽は肩の力を抜き、長い吐息をついて微笑んだ。

しかし成美はまだ納得できずにいる。

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