愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
熱っぽい顔を彼に向けた成美は、胸が高鳴る理由を言葉にせずにいられなかった。

「私は今、恋をしています。藤江さんが好きなんです」

朝陽が驚いたように息をのみ、一拍置いて目を弓なりにする。

「君の告白をしっかり聞いた。後で勘違いだったと思っても訂正不可だよ」

「はい。この思いは変わらないです」

頼もしい二本の腕が成美を閉じ込め、至近距離から見下ろされる。

「成美」

甘い声で初めて名前を呼び捨てられると、動悸が加速した。

「やっと手に入れた。初めて君を見た日に強烈に惹かれてから十年ほどか。長かったな」

「藤江さん……」

「朝陽。名前で呼んで」

照れくささに成美の頬が熱くなる。

「朝陽さん」

そう呼ぶと距離が縮まった気がして心が弾んだ。

「もう一度」

「はい。朝陽さん」

瞳を艶めかせた彼が顔を斜めにしてゆっくりと迫ってくる。

今度は戸惑わずに、すべてを彼にゆだねるつもりで目を閉じた。

唇が触れて優しくすり合わせ、ついばまれる。

薄く唇を開いたら柔らかな彼の舌先が潜り込み、舌をからめとられた。

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