愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
佑大が頭を下げると、木崎社長ともうひとりも立ち上がって深々とお辞儀した。

(どうしようか……と迷うと思ったら大間違いだ)

友人のよしみで億単位の仕事を頼みに来るとは、随分と見くびられたものだ。

懐かしさに弾んだ心がスッと冷える。

(そういえば佑大には人を見下す嫌な面があったな)

学内の女子大生たちを容姿でランク付けし、『あの子はナシだ』などと平気で言う。

やめろと注意しても、『冗談にマジで怒るなよ』と笑っていたのを思い出した。

妻に対しても――。

女子高生時代の成美が痴漢冤罪から救ったのが佑大だ。

その日、遅れて講義に出席した佑大が、授業が終わると朝陽を捕まえて興奮気味に話した。

『実は電車内で痴漢に間違われて、さっきまで警察に事情を聴かれていたんだ』

『マジで? よく無実を信じてもらえたな』

『それが、白いセーラー服の可愛い子が俺の無実を証言してくれて。成美ちゃんというんだ。顔も性格も最上級。まさに地獄から天国。あの子は俺の天使だよ』

詳しい話を聞き、正義感の強い女子高生だと感心した。

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