愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
朝陽に執着している母からしたら、交際を始める際に相手を紹介してもらいたかったのだろう。
いや、もしかすると好きな女性がいるという時点で、付き合ってもいいだろうかと相談されたかったのかもしれない。
そこを飛ばしていきなり結婚するからと言われ、ないがしろにされた気分になったのではないだろうか。
母親の意見を聞かないのかという朝陽への怒りが、成美に向かってしまったのだ。
とはいえ、交際するより先にプロポーズしたため、やり方を間違えたと後悔もできない。
朝陽が深いため息をついても聞こえなかったかのように、母が嬉々として話を進める。
「このお嬢さんはどう? 一緒に日舞を習っている鈴木さんのお孫さんなのよ。今、大学三年生ですって。卒業後にすぐ家庭に入ってもいいと言ってくれているわ。社会経験のないお嬢さんの方が、素直に言うことを聞いてくれるんじゃないかしら」
「やめてくれ……」
いや、もしかすると好きな女性がいるという時点で、付き合ってもいいだろうかと相談されたかったのかもしれない。
そこを飛ばしていきなり結婚するからと言われ、ないがしろにされた気分になったのではないだろうか。
母親の意見を聞かないのかという朝陽への怒りが、成美に向かってしまったのだ。
とはいえ、交際するより先にプロポーズしたため、やり方を間違えたと後悔もできない。
朝陽が深いため息をついても聞こえなかったかのように、母が嬉々として話を進める。
「このお嬢さんはどう? 一緒に日舞を習っている鈴木さんのお孫さんなのよ。今、大学三年生ですって。卒業後にすぐ家庭に入ってもいいと言ってくれているわ。社会経験のないお嬢さんの方が、素直に言うことを聞いてくれるんじゃないかしら」
「やめてくれ……」