愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
「ご実家で食べてこなかったんですね。先にお風呂に入ったので、私もまだなんです。電話でお母様が、夕食はうちで食べさせるからと仰っていたんですけど、もしかしたら一緒に食事できるかもしれないと思って。待っていてよかったです」

「なんだって!?」

驚いて妻を見ると、首を傾げられた。

「待っていてよかったと言ったんですけど?」

「違う、その前。母さんから電話がかかってきたのか? いつ頃?」

「十九時少し前です」

実家に向けて車を走らせていた時だ。

成美が夕食の支度をしていたら、自宅の固定電話が鳴った。

朝陽の母親からの初めての電話に驚いたが、一度会った時のような冷たい声ではなく明るい口調だったので、もしかしたら結婚を認めてくれたのかもと期待したそうだ。

しかし――。

『お久しぶりね。あなたには言っておいた方がいいと思って連絡差し上げたの。朝陽が今、こちらに向かっているわ。夕食はうちで食べさせるから、あなたは作らなくていいわよ』

『は、はい、わかりました。ご連絡ありがとうございます』

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