愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
娘に寂しい人生を歩ませたくないと心配しているのに、夫は嬉しそうに指を弾いた。

「それはいい。清香はずっとパパと一緒にいような」

娘の手から積み木を取り上げた朝陽が笑顔で抱き上げると、清香に両手でパチンと頬を挟まれた。

「やだっ」

「はっきりヤダと言ったな」

「ぐ、偶然そう聞こえただけですよ。でも年頃になった娘に同じことを言ったら、その時は本当に嫌がられると思います」

「清香もいつかは年頃に……。俺の手を離れて誰かのもとに嫁ぐのか」

清香を抱きしめ、つらそうに顔をしかめる夫に成美は目を瞬かせる。

(二十年先のことを今から心配しなくても……)

溺愛ぶりに呆れた後は、笑みを浮かべて夫に寄り添った。

「その時は私が慰めてあげます。娘が巣立って夫婦ふたり暮らしに戻るのも、私は楽しみです。愛するあなたを独り占めできますから」

朝陽が嬉しそうに目を細めた。

「同感。きっと新婚時代に戻った気分で楽しいだろうな。清香、こっちを見ないでくれよ。いないいない――」

娘を膝に座らせ片手で目隠しをした夫は、もう一方の手で妻を引き寄せる。

夫婦が見つめ合って唇を重ねると、愛娘が可愛い声で「ばあっ」と催促をした。


【終わり】

お読みくださいましてありがとうございました!
この作品はベリーズ文庫6月刊で発売予定です。
成美のマイルールを壊すシーンを書くのが楽しかったです。
我が家の次男、二歳になりました。
清香と違って、積み木をぶん投げるタイプの性格です。
食欲旺盛で背が伸びても丸いフォルムは赤ちゃんの頃とさほど変わらず。
今朝もおにぎりと食パンと納豆ご飯とおかずと苺を食べて元気に保育園に行きました!
ちまちまと執筆し、なかなか新作を完結させられないのですが、スローペースで活動していきます。
今後の作品もどうぞよろしくお願いします!


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