愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
まだ上手にできず、ふたつ積めるか積めないかといったくらいだが、動物が可愛いからか飽きずに遊んでくれる。

「清香、どうぞ」

「あーうっ」

ラグに座らせた娘に成美がパンダの積み木を差し出すと、お辞儀をして受け取る。

ライオンの積み木の上に重ねようとして落とし、できないと言いたげな目を母親に向けた。

「パンダさん、転んじゃったね。それじゃ、ゾウさんはどうかな? はい、どうぞ」

「あーうっ」

清香は決して怒らず、丁寧にお辞儀をして受け取ったゾウを積もうと集中していた。

娘の横に座っている朝陽が感心する。

「清香は真面目だな。俺なら詰めないことでイラついて、積み木をぶん投げていると思う」

「真面目……そうかもしれません。私みたいになったらどうしよう」

「白いセーラー服が似合う清廉な乙女に成長するなら、いいと思うけど」

「よくないですよ。友達ができませんし、恋もできないと思います。朝陽さんのように物好きな男性はそんなにいませんから」

朝陽と出会えなかったら、成美は今でも恋を知らず結婚もしていなかっただろう。

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