愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
料理はメインの黒毛和牛のステーキが出されたところだ。
箸で食べられるようカットされており、ミディアムレアの断面が美しい。
醤油ソースが香ばしく、山葵が添えてある。
朝陽の箸使いは上品だが男性らしい大胆さもあり、成美の口には少々大きなカットのステーキをひと口で頬張る。
「美味しいですね」
「は、はい」
「先ほどお母様にハードルが高いとおっしゃっていただきましたが、そんなことはありません。成美さんの方こそ素敵な女性です。あまりお話していただけませんが、あなたの心の清らかさや奥ゆかしさは伝わります」
お世辞とわかっていても心臓が波打った。
彼は自然な笑みを浮かべており、口調はなめらかで、心からそう思っていそうに聞こえた。
(女性を褒め慣れているのよ、きっと)
ステーキを口にして気を紛らわせ、高鳴る動悸を鎮めようとしたけれど、そうはさせまいとするかのように追撃の褒め言葉をもらう。
「その振袖は京絞りの友禅ですね。よくお似合いです。美しい着物を着こなせるのは、あなたが美しいからでしょう。もっと堂々とされていいと思いますよ」
箸で食べられるようカットされており、ミディアムレアの断面が美しい。
醤油ソースが香ばしく、山葵が添えてある。
朝陽の箸使いは上品だが男性らしい大胆さもあり、成美の口には少々大きなカットのステーキをひと口で頬張る。
「美味しいですね」
「は、はい」
「先ほどお母様にハードルが高いとおっしゃっていただきましたが、そんなことはありません。成美さんの方こそ素敵な女性です。あまりお話していただけませんが、あなたの心の清らかさや奥ゆかしさは伝わります」
お世辞とわかっていても心臓が波打った。
彼は自然な笑みを浮かべており、口調はなめらかで、心からそう思っていそうに聞こえた。
(女性を褒め慣れているのよ、きっと)
ステーキを口にして気を紛らわせ、高鳴る動悸を鎮めようとしたけれど、そうはさせまいとするかのように追撃の褒め言葉をもらう。
「その振袖は京絞りの友禅ですね。よくお似合いです。美しい着物を着こなせるのは、あなたが美しいからでしょう。もっと堂々とされていいと思いますよ」