愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
「信じます。でも、駄目です。たとえお付き合いしたとしても、借金を藤江さんに返していただくわけにいきません。私たち家族の問題ですので。お母さん、そうよね?」
「もちろんよ。藤江さんのご厚意はありがたいと思いますけど、金銭援助はご遠慮します。何年かかろうと、家族だけで返済します。私も娘も、道理から外れ真似はしたくないんです」
母娘で必死に断ると、朝陽が吹き出した。
「失礼、驚いた時の反応がシンクロしていたものですから。真面目な方々だ。成美さんはあの頃と変わっていない――」
「え?」
「いえ、こっちの話です。簡単に援助すると申し出てすみませんでした。おわかりいただきたいのは、返済中であるのを私は少しも気にしないということです。それを理由に交際を断るのはやめてください。私はあなたを――」
告白が続きそうで胸を高鳴らせて待っていたのに、朝陽がなにかに気づいて言葉を切った。
微かなバイブ音がして、携帯電話を取り出した彼が腰を浮かせた。
「すみません、職場から連絡が入りまして。すぐに終わらせますので、召し上がっていてください」
「もちろんよ。藤江さんのご厚意はありがたいと思いますけど、金銭援助はご遠慮します。何年かかろうと、家族だけで返済します。私も娘も、道理から外れ真似はしたくないんです」
母娘で必死に断ると、朝陽が吹き出した。
「失礼、驚いた時の反応がシンクロしていたものですから。真面目な方々だ。成美さんはあの頃と変わっていない――」
「え?」
「いえ、こっちの話です。簡単に援助すると申し出てすみませんでした。おわかりいただきたいのは、返済中であるのを私は少しも気にしないということです。それを理由に交際を断るのはやめてください。私はあなたを――」
告白が続きそうで胸を高鳴らせて待っていたのに、朝陽がなにかに気づいて言葉を切った。
微かなバイブ音がして、携帯電話を取り出した彼が腰を浮かせた。
「すみません、職場から連絡が入りまして。すぐに終わらせますので、召し上がっていてください」