愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
「あの、私と今日会うことを、交際している方はご存じなのでしょうか? もしかして私、藤江さんの恋人に失礼なことをしているんじゃないかと、今気づきまして」
「恋人?」
朝陽が意表を突かれたように眉を上げた。
数秒黙り、それから苦笑して人差し指で頬をかいている。
「ゼロからのスタートではなく、マイナスだったか」
どういう意味かわからず首を傾げたら、彼が嘆息した。
「恋人がいるなら、他の女性を誘わない。もしどうしても会わなければならない用事があるなら、複数人での会食にする」
「お付き合いされている方はいないということですか?」
「もちろんいない。見合いを申し込んだ時点で、それは理解してもらえると思っていたんだが」
(言ってくれないとわからない。結婚相手を探す目的でのお見合いじゃなかったんだもの。でもよかった。藤江さんに恋人がいなくて)
ホッとした後に、なぜそんな気持ちになるのかと疑問が湧いた。
(この安堵感は、藤江さんの恋人にご迷惑をかけずにすむというものだけではないような……)
「恋人?」
朝陽が意表を突かれたように眉を上げた。
数秒黙り、それから苦笑して人差し指で頬をかいている。
「ゼロからのスタートではなく、マイナスだったか」
どういう意味かわからず首を傾げたら、彼が嘆息した。
「恋人がいるなら、他の女性を誘わない。もしどうしても会わなければならない用事があるなら、複数人での会食にする」
「お付き合いされている方はいないということですか?」
「もちろんいない。見合いを申し込んだ時点で、それは理解してもらえると思っていたんだが」
(言ってくれないとわからない。結婚相手を探す目的でのお見合いじゃなかったんだもの。でもよかった。藤江さんに恋人がいなくて)
ホッとした後に、なぜそんな気持ちになるのかと疑問が湧いた。
(この安堵感は、藤江さんの恋人にご迷惑をかけずにすむというものだけではないような……)