愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
「三度目の出会いに乾杯」
シャンパングラスを持ち上げた朝陽が片目をつむる。
気取ったようには見えず、自然な仕草に思えた。
緊張しながらグラスに口をつけた成美は、シャンパンの味わいにハッとした。
「美味しい……」
会社の飲み会でのビールとは大違いで、味わって飲みたいと思うほど美味だ。
「芳醇な甘みのあるシャンパンだ。パイナップルと桃、蜂蜜とナッツの味がするだろ?」
そう言われてふた口目を口にしたが、成美にはソムリエのような感想は出てこない。
「すみません、フルーティーな感じはしますが、蜂蜜とナッツはよくわかりません」
会話が弾むよう同調すべきところかもしれないが、持ち前の真面目すぎる性分が嘘をつかせてくれなかった。
そういうところが面白みがないと思われ、子供の頃から友人が少なかった原因だろう。
けれども朝陽は退屈そうにせず、ハハッと明るく笑った。
「予想外の返答がくるから、成美さんと話すのは楽しいな。感じ方は人それぞれで、蜂蜜とナッツが不在でもなにも問題はない。大切なのは、一緒に美味しいと感じる気持ちだ」
シャンパングラスを持ち上げた朝陽が片目をつむる。
気取ったようには見えず、自然な仕草に思えた。
緊張しながらグラスに口をつけた成美は、シャンパンの味わいにハッとした。
「美味しい……」
会社の飲み会でのビールとは大違いで、味わって飲みたいと思うほど美味だ。
「芳醇な甘みのあるシャンパンだ。パイナップルと桃、蜂蜜とナッツの味がするだろ?」
そう言われてふた口目を口にしたが、成美にはソムリエのような感想は出てこない。
「すみません、フルーティーな感じはしますが、蜂蜜とナッツはよくわかりません」
会話が弾むよう同調すべきところかもしれないが、持ち前の真面目すぎる性分が嘘をつかせてくれなかった。
そういうところが面白みがないと思われ、子供の頃から友人が少なかった原因だろう。
けれども朝陽は退屈そうにせず、ハハッと明るく笑った。
「予想外の返答がくるから、成美さんと話すのは楽しいな。感じ方は人それぞれで、蜂蜜とナッツが不在でもなにも問題はない。大切なのは、一緒に美味しいと感じる気持ちだ」