夏と冬のココアはご用心
昴さんのシンプルなデザインで統一されたリビングなどには、仕事で使う資料や小説はあるけど、Switchとかは見当たらない。あたしがキョロキョロと探していたら、昴さんは「フフッ、違いますよ」と笑った。

「謎解きゲームです」

そう言って昴さんが持って来たのは、あたしの大好きなココア。今の季節は夏で、今日は過去最高の暑さになるから当然ココアはグラスに氷と共に入っている。

「このココアには薬が入っています。どこに入っていると思いますか?」

「えっ、薬?」

薬って一体何の薬だろう……。不安になるも、昴さんはすぐに人体に害はないと言ってくれたため、少しホッとする。

「薬かぁ〜……」

昴さんから受け取ったココアをあたしはジッと見つめる。氷とココアの入ったグラスは、いつもお家デートで出されるものと変わりはないように見える。ジッと見ているあたしの目の前で、昴さんはココアに口を付けていった。それを見て、あたしはニヤリと笑う。
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