ひとりでママになると決めたのに、一途な外交官の極上愛には敵わない

 彼は何も言わず私を横抱きにすると、迷いのない足取りで廊下を進んだ。
 開いたドアの先ににあるキングサイズのベッドの上に私を下ろす。

 のしかかられて重みを感じたのは一瞬。きつく抱き締められて唇を奪われる。あわいから押し入ってきた舌に激しく咥内をまさぐられた。

 さっきよりもずっと獰猛な口づけは、まるで私を食べてしまおうと言っているようだ。絡み合う舌が唾液をかき混ぜ、淫靡な水音が息づかいに交じって聞こえてくる。

 どうしようもなく恥ずかしいのに、やめたいとは思わない。それどころか自分からねだるように舌を動かし、彼の首に腕を回してしがみついた。

 口の端からこぼれた唾液を彼が惜しむように吸い取る。そのまま、あご、首筋、鎖骨と順に下りて行った。

 時折リップ音が立ち、ぴりっとした感覚に「んっ」と声が漏れる。痛いはずなのにどうしようもなく甘く痺れる。

 いつの間にかブラウスのボタンがすべて外されていて、ブラの(きわ)、盛り上がった素肌に強く吸いつかれた。

「あん……っ」

 鼻にかかった甘い声が漏れ、慌てて口を両手で塞ぐ。その手をはがすように握られた。

「隠さないで。声も聞かせて」

 櫂人さんは大きな手で私の両手首をひとまとめにし、枕に押しつけた。目を細め、蠱惑的な笑みを浮かべる。

「かわいい」

 瞬間、ぼっと全身が発火したように熱くなった。

 いつの間に、私はこんなに淫らな体になってしまったのだろう。櫂人さんとのあの夜が最初で最後だったのに。
 動揺のあまり、涙が勝手にぽろぽろとこぼれる。

 突然ぎゅっと抱きしめられた。
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