イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
「みんな、何しに来てるんだか……さあ、行こう」
私は無視して、いつもの梅園に入る山の入り口を進んでいく。
夕方。
私は手弁当を持って、山の上で食べてから降りてくるのがいつものコース。
今日も食べ終わってゆっくり梅園を一周してから降りてきた。
すると、まだ占い師が座っている。
しかも、夕方のせいか、客が誰もいない。
並んでいた朝が嘘のよう。
私がチラッと見ながら通り過ぎようとしたその時……。
「そこの、お嬢さん。良かったらみてあげますよ」
着物を着た男性がこちらをじっと見ている。