危険な彼に焦がれて
「そうだよ。この部屋の存在は若頭と組長の父さんと元組長の祖父、あとは母さんしか知らない。緊急事態の時とか組員達に知られたくない話をする時とかに使うんだよ。まぁ、父さんは母さんとイチャイチャする時に使ってることが多いけど……あと、防音になってるんだよ」
そんな重要な部屋なんだ……
なのに、私に教えても大丈夫なの……?
「それ、私に教えても大丈夫なの?」
「さっきも言ったけど、珠那ちゃんはこれからここに住むことになるんだから、問題ないよ。ただ、この部屋のことは吹聴しないでほしいな」
「それは分かってる。絶対言わないから」
「ありがとう、珠那ちゃん」
頷きながら言うと、何故かお礼を言われた。
「優雅、帰ってきてたんだ?」
扉が開く音がした後、横から声が聞こえてくる。