危険な彼に焦がれて
「ないけど」
何でそんなこと聞くんだって思いを込めながら言葉を返すと、優雅さんは柔らかい笑みを浮かべた。
「なら、一緒にカフェにでも行かない?試着して疲れたみたいだし、休憩しようよ」
「それはいいんだけど、どうせそのカフェでの代金も私に払わせてくれるつもりはないんでしょ?」
「もちろん、俺が払うよ」
せめて、自分の分は自分で払いたいものだけど。
優雅さんの笑顔を見る限り無理なのだろうと察し、ため息をつく。
とりあえず、今回も諦めるしかなさそうね。
「分かった。なら、今回も優雅さんの驕りで」
「うん。じゃあ、早速向かおっか」
歩き出した優雅さんについていく。
どこに行くのかは分からないけど。
「そういえば、珠那ちゃんって黒が好きなの?」
着くまでの雑談のつもりなのか、黒が好きなのかと聞かれた。
何でそう思ったのか分からなかったから尋ねることにする。
「何でそう思うの?」
「珠那ちゃんが選んでいた服は全部黒だったから」