見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
「…川……相川?…乃愛?」
……?
ぼーっと公佳さんとのやり取りを思い出して、ふふふっと笑っていたら、私の名前を呼ばれてた。
「…はい?」
伏していた目を上げると「やっぱ乃愛だよな」と言われ、その人をよく見たら高校の同級生、森 基樹(もり もとき)くんだった。
「…基樹くん?」
「そーだよ!久しぶりだなー!何、帰省?」
「うん」
「そっか。この後予定は?ヒマならどっか行かない?」
「あはは、基樹くん、それナンパみたい」
「そーだよ?可愛い子がいるなーってナンパしようと思って近くで見たら乃愛だったっていうな」
「ふふ、変わってないね」
「何、俺って昔からナンパ野郎なの?」
「え、違うの?」
「バッカ、違うよ」
「軽い感じは変わってないと思うけど」
「で、この後の予定は?」
「あぁ、私、一人じゃないんだ」
「ツレがいんの?彼氏?あ、弟か!さっき見たし、二人」
「うん、どっちも。彼が弟達を見てくれてるから待ってるの」
「見て?…あー!もしかして、さっき相川兄弟と一緒にいた背の高いイケメンか?」
「…たぶんその人、かな」
「あれ?彼氏ってここのインストラクター?スタッフのやつ着てたよな」
「それならその人で間違いないかな。うん、ここの店舗じゃないけど、ソレイユダイヤモンドのインストラクターさんだよ」
「マジか。…なんだー、せっかくまた乃愛と付き合えるかと思ったのにー」
「あはは、それはないなぁ」
実は…基樹くんは高校の同級生で…元彼。
大学に入って遠距離になって別れたんだ。
お互いに忙しくて自然消滅しそうだったから、話し合ってお互い納得して別れたんだよね。
だから特に嫌う理由もなくて、こうして普通に話せるんだと思う。
「森くん、知り合いなのぉ?」
と、後ろから聞こえた声の主は…ユキさん。
「あ、楠(くすのき)さん、こんにちは」
「こちらは…伊織くん達と一緒にいらした方よね?」
「相川 乃愛といいます」
軽く会釈する。
「ノアさんていうんだー、私、楠 ユキっていいます。伊織くんとは昔の知り合いでぇ 」
「そうなんですね」
「楠さん、乃愛はその人の彼女なんだって。俺、より戻したかったのに残念だわー、あははは」
「あっそうなんだぁ?じゃあじゃあ森くんはノアさんとより戻してぇ、伊織くんは私とより戻したらいいんじゃなぁい?なーんちゃって、うふふ」
「楠さん何言ってんすか、それは無理っすよー」
「えー?でもでも結婚してないんだったら、できなくない?」
ユキさんは、ただの冗談で言っているのではない…と何となく感じた。