見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
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公佳さんに、病院で会話を聞いてしまった事と、私の伊織に対する気持ちを、全て告白したんだ。
すると公佳さんは徐に話し始めた。
「私ね…去年、ニューヨークにいる上司…ルークっていうんだけど、彼から結婚を前提に恋人になってほしい、って言われたの。以前から交流はあって親しくはしていたんだけど、その時は仕事が忙しくて返事は保留にしてもらってたのね。それで…やっと落ち着いて彼との今後を考えようと思った矢先に今年……伊織と再会したの」
私は黙ってコクリと頷きその続きを待った。
「最初に見た時は驚いたわ。まさか関東にいるはずの伊織が私の実家のある長野に来るなんて思わなかったから…。だから、もしかしたら私を…?なんて変に勘繰ってしまったんだけど、どうやら乃愛ちゃんを追いかけてきたってわかってね」
「………」
「あーそっか、伊織は運命の子を見つけたんだな、って思った。それで乃愛ちゃんに興味が出て、話してみたらすごくいい子で、私もすっかり魅了されちゃったのよね、ふふ」
「そうでしたか…」
「伊織を見てれば私の事なんて眼中にないのはわかったわ。私だけじゃなくて他の誰も。本当に乃愛ちゃんしか見えてなくて」
「そう、ですか…?」
「ふふ、微笑ましかったわ。すごく乃愛ちゃんに一途な伊織と、その気持ちに気付かずに一生懸命トレーニングを頑張る乃愛ちゃんのペアが。みんなで話してたの。どっちも応援したくなるよね、って」
え、みんなで…って…
「そ、そうだったんですね…」
何か恥ずかしい…
「そこまで伊織に愛される乃愛ちゃんを羨ましいとは思ったけど、悔しいとか憎いとかは全然なくてね。…だから、私はもう伊織に未練はないんだって思ってた」
「はい…」
「でもね、私……ルークとの未来を考えようと思ってるのに…昔のトラウマとか…結婚でも失敗してるから…どうしても先への不安が付きまとってたの。そんな時に伊織と再会して……伊織と結婚していた頃の…安定した気持ちが甦ってくる事があって……正直言うと、伊織を男性として意識してた」
「…はい……」
「それで私、自分の気持ちがわからなくなって……伊織に対しての感情と、ルークへの気持ちと。でも、そこにあの事件があって……伊織がそこまでして乃愛ちゃんを守るってことが伊織の答えなんだ、ってわかった」
「………」
何て言ったらいいのかわからなくて…言葉を出せなかった。
「そっか、やっぱりね、って。でもね、私……乃愛ちゃんのことが大好きだし…それに辛い思いをした乃愛ちゃんには幸せになってほしいと思ってる。…それを伊織がしてくれるなら私も本当に嬉しいの」
「はい…」コクリと頷く。
「ふふ…変よね、伊織への未練と、伊織に乃愛ちゃんを幸せにしてほしいって願う思いは矛盾しているんだものね」
「…………」
ふ…と息を吐いた公佳さん。
「私ね……伊織にきっぱりとフッてほしかったんだ」
「フッて……?」
「私が伊織に望んでいたのは『私を選んで、一緒にアメリカに行く』っていう答えじゃなかった。…そもそも、私を選ぶという答えが返ってくるとは全く思ってなかったしね」
「え…?」
「…私は伊織から『乃愛ちゃんだけを愛している』って言葉が聞きたかった。その言葉で、私も前へ進める、って思ったの」
「………」
「私をフッてほしい、ってお願いするのではなくて、伊織の判断で、伊織の言葉でしっかりと聞きたかった。…だから、あんな告白じみた言い方をしたの。…それで、伊織からはちゃんと私が願った言葉が返ってきたから…嬉しかったんだ」
「そうだったんですね……」
「でも…まさか乃愛ちゃんに聞かれてるなんて思ってもみなくて……私の勝手な思いからあんな言い方をして、伊織だけでなく乃愛ちゃんまで傷つけて…迷惑をかけてしまって本当にごめんなさい」
そう言って深く頭を下げられた。
「いっいえ、私は盗み聞きしちゃったわけだし」
「…ありがとう、乃愛ちゃん…。伊織には返事が来た時にちゃんと本当のこと…私の本当の気持ちを話してあるから」
「そうなんですね…」
伊織は何も言わなかったから…伊織が全て知っていたことも知らなかった。
「でも、乃愛ちゃんにとっては私は嫌な存在よね。一応は前妻の立場だし……少し前まで少なからず伊織に好意を持っていたんだし…」
「…いえ、前妻なのも好きだったのも、公佳さんだから全然気になりません。逆に、こうして話せる間柄なのが嬉しいし」
「…乃愛ちゃん、ほんとに?……あの…これからも私と仲良くしてくれる…?」
「はい、もちろんです。私はお姉ちゃんだと思ってるし」
「よかった……乃愛ちゃん…ありがとう!嫌われたら…もう会わないって言われたらどうしようって思ってたの…」
って最後は公佳さんが涙ぐみながら私を抱き締めてくれたんだよね。
最近は自分の事でバタバタしてたから時間がなかったけど、公佳さんがアメリカに行く前にまた会いたいな。
公佳さんも忙しいみたいでクラブにも来てないみたいだし。
…そうだよね、アメリカに行くって旅行じゃないんだから…引っ越しだと準備も大変だよね。
そういえば…
「でも…もし伊織が公佳さんを選んでアメリカに一緒に行くって答えてたら……それはそれで嬉しいんですよね?」
って聞いたら、
「……その答えが返ってくるケースは考えてもいなかったけど……そうね……もしそう言われたら……私が振るわ。私が好きになったのはそんな伊織じゃないから。乃愛ちゃんに一途で、しっかりと乃愛ちゃんを守ってくれる男だから。そんなフラフラする男なんてゴメンだわ」
って返ってきて笑っちゃった。ふふっ。
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公佳さんに、病院で会話を聞いてしまった事と、私の伊織に対する気持ちを、全て告白したんだ。
すると公佳さんは徐に話し始めた。
「私ね…去年、ニューヨークにいる上司…ルークっていうんだけど、彼から結婚を前提に恋人になってほしい、って言われたの。以前から交流はあって親しくはしていたんだけど、その時は仕事が忙しくて返事は保留にしてもらってたのね。それで…やっと落ち着いて彼との今後を考えようと思った矢先に今年……伊織と再会したの」
私は黙ってコクリと頷きその続きを待った。
「最初に見た時は驚いたわ。まさか関東にいるはずの伊織が私の実家のある長野に来るなんて思わなかったから…。だから、もしかしたら私を…?なんて変に勘繰ってしまったんだけど、どうやら乃愛ちゃんを追いかけてきたってわかってね」
「………」
「あーそっか、伊織は運命の子を見つけたんだな、って思った。それで乃愛ちゃんに興味が出て、話してみたらすごくいい子で、私もすっかり魅了されちゃったのよね、ふふ」
「そうでしたか…」
「伊織を見てれば私の事なんて眼中にないのはわかったわ。私だけじゃなくて他の誰も。本当に乃愛ちゃんしか見えてなくて」
「そう、ですか…?」
「ふふ、微笑ましかったわ。すごく乃愛ちゃんに一途な伊織と、その気持ちに気付かずに一生懸命トレーニングを頑張る乃愛ちゃんのペアが。みんなで話してたの。どっちも応援したくなるよね、って」
え、みんなで…って…
「そ、そうだったんですね…」
何か恥ずかしい…
「そこまで伊織に愛される乃愛ちゃんを羨ましいとは思ったけど、悔しいとか憎いとかは全然なくてね。…だから、私はもう伊織に未練はないんだって思ってた」
「はい…」
「でもね、私……ルークとの未来を考えようと思ってるのに…昔のトラウマとか…結婚でも失敗してるから…どうしても先への不安が付きまとってたの。そんな時に伊織と再会して……伊織と結婚していた頃の…安定した気持ちが甦ってくる事があって……正直言うと、伊織を男性として意識してた」
「…はい……」
「それで私、自分の気持ちがわからなくなって……伊織に対しての感情と、ルークへの気持ちと。でも、そこにあの事件があって……伊織がそこまでして乃愛ちゃんを守るってことが伊織の答えなんだ、ってわかった」
「………」
何て言ったらいいのかわからなくて…言葉を出せなかった。
「そっか、やっぱりね、って。でもね、私……乃愛ちゃんのことが大好きだし…それに辛い思いをした乃愛ちゃんには幸せになってほしいと思ってる。…それを伊織がしてくれるなら私も本当に嬉しいの」
「はい…」コクリと頷く。
「ふふ…変よね、伊織への未練と、伊織に乃愛ちゃんを幸せにしてほしいって願う思いは矛盾しているんだものね」
「…………」
ふ…と息を吐いた公佳さん。
「私ね……伊織にきっぱりとフッてほしかったんだ」
「フッて……?」
「私が伊織に望んでいたのは『私を選んで、一緒にアメリカに行く』っていう答えじゃなかった。…そもそも、私を選ぶという答えが返ってくるとは全く思ってなかったしね」
「え…?」
「…私は伊織から『乃愛ちゃんだけを愛している』って言葉が聞きたかった。その言葉で、私も前へ進める、って思ったの」
「………」
「私をフッてほしい、ってお願いするのではなくて、伊織の判断で、伊織の言葉でしっかりと聞きたかった。…だから、あんな告白じみた言い方をしたの。…それで、伊織からはちゃんと私が願った言葉が返ってきたから…嬉しかったんだ」
「そうだったんですね……」
「でも…まさか乃愛ちゃんに聞かれてるなんて思ってもみなくて……私の勝手な思いからあんな言い方をして、伊織だけでなく乃愛ちゃんまで傷つけて…迷惑をかけてしまって本当にごめんなさい」
そう言って深く頭を下げられた。
「いっいえ、私は盗み聞きしちゃったわけだし」
「…ありがとう、乃愛ちゃん…。伊織には返事が来た時にちゃんと本当のこと…私の本当の気持ちを話してあるから」
「そうなんですね…」
伊織は何も言わなかったから…伊織が全て知っていたことも知らなかった。
「でも、乃愛ちゃんにとっては私は嫌な存在よね。一応は前妻の立場だし……少し前まで少なからず伊織に好意を持っていたんだし…」
「…いえ、前妻なのも好きだったのも、公佳さんだから全然気になりません。逆に、こうして話せる間柄なのが嬉しいし」
「…乃愛ちゃん、ほんとに?……あの…これからも私と仲良くしてくれる…?」
「はい、もちろんです。私はお姉ちゃんだと思ってるし」
「よかった……乃愛ちゃん…ありがとう!嫌われたら…もう会わないって言われたらどうしようって思ってたの…」
って最後は公佳さんが涙ぐみながら私を抱き締めてくれたんだよね。
最近は自分の事でバタバタしてたから時間がなかったけど、公佳さんがアメリカに行く前にまた会いたいな。
公佳さんも忙しいみたいでクラブにも来てないみたいだし。
…そうだよね、アメリカに行くって旅行じゃないんだから…引っ越しだと準備も大変だよね。
そういえば…
「でも…もし伊織が公佳さんを選んでアメリカに一緒に行くって答えてたら……それはそれで嬉しいんですよね?」
って聞いたら、
「……その答えが返ってくるケースは考えてもいなかったけど……そうね……もしそう言われたら……私が振るわ。私が好きになったのはそんな伊織じゃないから。乃愛ちゃんに一途で、しっかりと乃愛ちゃんを守ってくれる男だから。そんなフラフラする男なんてゴメンだわ」
って返ってきて笑っちゃった。ふふっ。