見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
タクシーで家に戻り、部屋でコートを脱ぐと正面からぎゅうっと抱き締められた。

「伊織…」
その強い力にドキドキしながら呼んでみる。


「一年前の夜……歩道で乃愛を抱き締めたんだよな」

「ん……そうだったね。…見ず知らずの女に泣かれて…困らせちゃったよね」

回りを気にせず涙を流し続ける私を、伊織が抱き締めてくれたんだよね…


「いや、あの時は……頭で考えるより先に手が動いたんだよな。…で、抱き締めたらすげぇ細くてちっちゃくてさ…下心とかそういうのじゃなくて、純粋に〝この子は俺が守りたい!〞って思ったんだ。俺、女の人にそんな風に思ったことなかったから自分でもびっくりしたけど」

「そうだったんだ……ありがとう」

「でもまさかその一年後に夫婦になってるだなんて、想像もできなかったけどな」

「ふふ、そうだね。私はまだ結婚してたもんね」

「…なんかまだ夢みたいだ…乃愛が俺の奥さんだなんて」

「夢じゃないよ?ほんとに伊織の奥さんだよ?」
伊織の顔を覗き込むようにして言う。


すると伊織は腕の力を緩め、私の顔に手を添えた。

「今日ずっと…乃愛が可愛くて愛しくて…自分を押さえるのが大変だったよ……こんなに愛くるしい妻に今すぐキスもできないなんて、って」

「伊織……」

その目は優しいけど…獲物をロックオンしたかのような荒々しさも見えて…もっとドキドキする。

「じゃあ…お買い物とかじゃなくて家でイチャイチャしてたかった?」

「言い方が悪かったかな。買い物もデートもディナーも全部したかったことだから楽しかったし、幸せだなぁって思ってたよ。…だから乃愛が可愛くて仕方なかったんだ」

その答えにホッとした。

「それならよかった……私もだよ…伊織がカッコよくてずっとドキドキしっぱなしで……伊織が旦那さまで、すごく幸せ…」
私も伊織を抱き締める。


「…新婚初夜だけど……乃愛が愛しすぎて俺…もう我慢できねぇ…」

伊織が強く私を求めているのがわかって…下腹部がきゅうきゅうと疼く…

「ふ、乃愛も俺を求めてる?」

「…ん……」

「はぁ…余裕なくてごめん……」
私の頬を手のひらで優しく包む。

「乃愛、愛してるよ。絶対離さないからな、俺の奥さん」

それに答える間もなく…貪るように唇を奪われた。

後頭部を抱えられて逃げることもできない状況が、私を求める想いの大きさを示しているようで……それを嬉しいと思う気持ちが身体に伝わり、下腹部が痛いくらいにぎゅうぎゅうと疼く。


「乃愛………乃愛……」

「ん…っ……はぁ…」

キスの合間に私の名前を囁く声と、それに呼応するような私の吐息と、触れる唇から発せられる水音が、より私達の欲情に炎を灯す。

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