見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
夕飯の支度を手伝う乃愛は楽しそうだった。
ノラはもっと嬉しそうだったけど。
本気で『マシューの嫁に!』って言い出しそうで怖い。
夕飯の時『これはノアが作ってくれたのよ!』と二皿出し、ディランもマシューも『これは日本食?どちらもおいしいね!』と上機嫌だった。
乃愛も『お口に合ってよかった』と笑って、それからもノラ達と談笑してる。
でも……俺と目を合わそうとしない。
たまに目は合うけど…特に表情も変えず自然に目線を外される。
ノラがたくさん話しかけるから、そっちを見ることが多くなるのはわかるけど……
何だろう…この感じ……
まだ胸のざわつきは治まらない……
「ごちそうさまでした」
手を合わせた乃愛が日本語で言う。
『それ、日本のいいところだよね。さっき言った〝イタダキマス〞も』
マシューがすかさず言葉をかけた。
「あっ」
乃愛は素で言ってたみたいだな。
ふ、可愛い。
自然とにやけてしまう。
『アメリカと文化は違うけど、僕は〝イタダキマス〞も〝ゴチソウサマデシタ〞も好きだよ』
『ありがとう。文化を理解してもらえると日本人として嬉しいな』
『ノアもアメリカの家庭料理に興味を持ってくれたのよ!だから私も嬉しかったの!』
『ふふ、ノラさんとのお料理、とっても楽しかったです』
『あぁ、ノアにお母さんて呼ばれたいわ~』
『母さん、それは…』
『ごめんなさい。私は伊織の妻なので、ノラさんをお母さんとは呼べないの』
申し訳なさそうに、でも笑顔で軽く答えるからか、嫌な感じがしない。
『そうよね、イオリの奥さんだものね。……じゃあノアとイオリもここに住んだらいいわ!』
『それは僕がノアに恋しそうだからやめてくれ』
マシューがジェスチャーを交えて、本気とも冗談ともわからない言い方をする。
『マシュー、それは大丈夫。私なんてちょこまか動き回る小型犬くらいの存在だから逆にお邪魔かも』
ふふっ、と乃愛が冗談で返す。
『イオリ、君の奥さんは自分の魅力をわかっていないようだね』
とマシューは半笑いのため息混じりで言い、この会話の流れは幕を閉じた。