見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~

和解と愛と幸せと

笑いが収まり、女性陣がまた料理に取り掛かると、俺達の元へ来たクロエが口を開いた。

『イオリ…昨日はごめんなさい』

『あぁ、気にしてないよ』
乃愛を抱き締めたまま答える。

『ノアも、本当にごめんなさい…』

『ううん、私も気にしてないから。ありがとう』
俺の腕を剥がしながら乃愛がクロエに向かって言う。

つか剥がされた……ガーン……

っていう俺を見てマシューが笑いをこらえてる。

そしてクロエもフッと笑った。
『でもイオリがこんな人だったなんて知らなかったわ。もっとドライな大人の男だと思ってたのに、案外子供っぽいのね』

『クロエ…お前、言うようになったな』

『はぁ……私にも、私だけをこんなに愛してくれる人が現れるのかしら』

『あぁ、きっといるはずだ。俺は30でやっと見つけたけどな』

また乃愛をぎゅうとバックハグする。
…と、乃愛に剥がされた。

『伊織、ほんとに料理しなきゃだから。ハグはもう少し待ってて?ね?待てるよね?』

子供に諭すように言われちゃあな…

『ん……わかった』
むぅ、と口が突き出てしまった。
あ、これじゃ諒と同じじゃん。


『…ぶっ……わっはははは!』
マシューが笑いを堪えきれなくなったみたいで、大笑いしだした。

それにつられてクロエも笑いだした。

…だからウケ狙いじゃないんだって…

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