見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~

その間、俺はキッチンでみんなと楽しそうに料理をする乃愛を見てることにした。

ソフィアやステラとも普通に話しながら手を動かす乃愛。

……可愛いのにすげぇデキるいい奥さんだよな……んー…幸せ…


『イオリがニヤニヤしてボケーっとこっち見てるわ』
『あらほんと。あれはピザが待ち遠しいんじゃなくてノアを見ているのね』

全然ヒソヒソしてないから普通に聞こえた。
あ、わざとか。

『ん?そうだけど?』

『…正直者なところは変わらないわね』

『あっねぇノア、そういえばノアは兄弟はいるの?』

『あぁ、弟が二人いてな、双子で今は大学生なんだよ。二人ともすげぇいいヤツで俺を慕ってくれてるんだ』

『私はノアに聞いたのよ?なんでイオリが答えるのよ。私はノアとお話ししたいの』

『…すんません』
ステラに怒られた。


『ふふ、伊織、私の代わりに詳しく言ってくれてありがとう。…えぇ、ステラ、今、伊織が言ってくれたとおりよ。姉の私が言うのも何だけど、とてもいい子達なの。それに伊織のことも大好きなのよ』

あぁ…乃愛がフォローしてくれた!
マジで嬉しい…

『乃愛……抱き締めていいか?』

「っえ?何言ってるの?」

「乃愛、日本語になってる」

『や、そんなことより。抱き締めるのはダメだよ?』

『何で?』

「何で、って…料理中だし」

ふ、無意識で日本語と英語がごっちゃになっちゃうのが可愛い。

それに…
『エプロン姿が可愛い過ぎ…』

『だから料理中だし、ダメだよ?』


『……イオリ、ノアの方が歳上みたいよ?あなたは子供?』

『いいだろ、俺は乃愛が大好きで可愛くてたまらないんだよ。やっぱしよーっと』

「伊織?…んぎゃっ」

バックハグしたら変な声を出された…

『んぎゃっ、て何だよ、乃愛。エプロン姿、すげぇ可愛い。あー俺の奥さんなんだよな…幸せ』

乃愛の頭に頬擦りする。
サラサラの髪が気持ちよくていい匂い…

『ハー…やりたい放題ね、イオリ。あなたがノアのことを大好きなのは充分わかったから、ノアに調理の続きをさせてあげてくれる?……あっ、クロエも来たのね、久しぶり!』

その言葉に後ろを向くと、マシューとクロエがこちらを見ていた。

『…な、クロエ、見たか?イオリのあの何ともデレデレな姿。あんなのを見せられてるんだぞ、俺』

『マシュー、あんなのとは何だよ。俺は乃愛が愛しくてたまらないだけだ。なぁ乃愛、乃愛もだろ?』
俺はバックハグしたまま乃愛の顔を覗き込む。

離したくねぇなー…キスしちゃおっかなー…
あー、このまま料理やめてくんないかな。


なのに。

『えっと……伊織…そろそろお料理の続き、していいかな?』

『えっ!乃愛、俺の腕から出るつもり!?』

『うん。お腹すいてきたでしょ?もう少しでできるからね。焼きたてのおいしいピザ、楽しみにしててね?』

『…んー……わかった。楽しみにしてる…』

そっと解放すると、乃愛がニコッと笑って「ありがと」って言うから…もー可愛くてソッコーで正面から抱き締めてまた頬擦りしちゃった。

「ちょ、伊織?」

『可愛いすぎる』
っつったら、その場のみんなに笑われた。
別にウケを狙ったんじゃないんだが。

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