見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
夕飯はルークが予約してくれてたレストラン。


食事しながらルークが「明日も案内するよ」と、隠れた名所を話している時にルークのスマホが鳴った。

「…あぁ、日本のコーキからだ。キミカ、すまないが少し話してくるよ」
「えぇ、幸輝くん大変だものね、力になってあげて」

そしてルークは俺達に「すぐ戻るから」と席を外した。


「ごめんね、私がいた日本支社にいる人からなの」

「いえ。でもルークさん、お忙しいんですね」

「うん、立場上なかなかね」

「じゃあ公佳さんも大変ですよね」

「ふふ、そうね。でも仕事はやりがいがあるし、ルークを一番近くで支えるのは私だけだと思うと嬉しくてね。…だから、この大変さは全く苦じゃないの」

「さすが公佳さん!」

「ありがとう。でもね…このパワーは乃愛ちゃんから貰ったのよ」

「えっ、私ですか?でも私は何も…」

「うん、乃愛ちゃんが頑張る姿を見て…元気と勇気を貰ったの」

「私の?」

「えぇ。…乃愛ちゃんとクラブで会う前の話なんだけど…私ね、会社内の人間関係でトラブルがあって……それで上司から休暇を貰って、実家のある長野に行ったの。…その頃ちょうど会社でリモートワークを推進する動きがあったから、休暇後も私はそのまま長野で仕事をしていたの」

「そうだったんですね…」

「うん。でもやっぱり東京で働きたいっていう気持ちがあってね。それで…リフレッシュも兼ねてスポーツクラブに通い始めたんだけど、まだどこかで鬱々としてて」

「全然そんな風には見えなくて……何も気付かなくて……私、本当に公佳さんに甘えてばかりでしたよね……ごめんなさい」

「ううん!逆なの。乃愛ちゃんと出会って、乃愛ちゃんの頑張りを見ていたら、私も頑張ろう!って気持ちに張り合いが出てね。…それで乃愛ちゃんの話を聞いたら力になりたくて堪らなくなって。…やっぱり私は誰かの力になれることが嬉しいんだ、って改めて気付けたの。だから上司と相談を重ねて東京に戻る話をしていたんだけど、そこにルークからこっちに来てほしい、って言われて」

「そうだったんですね…。あ、そういえば公佳さんのお仕事ってどういったものなんですか?」

「企業コンサルなの。私はやっぱりクライアントと一緒に考えて、会社をより良くしていきたい、って更に強く思えるようになったわ。乃愛ちゃんのおかげでね、ふふ」

「いえ、私なんてそんな……。あの……失礼な質問ですけど、公佳さんが人間関係のトラブルって信じられないんですけど、一体何があったんですか?」

「あー……うん、今ならもう言っても大丈夫かな……でもここだけの話ね」

「はい、もちろんです」

「あのね、当時の日本支社の副社長にストーカーされてね…」

「へぁっ!?ストーカー!?」

「そう……最初は言い寄られていただけなんだけど、その人は既婚者だから副社長といえども相手にはしなかったの。でもしつこくて…社内でも構わず言ってくるようになって、その都度上司や同僚が助けてくれてはいたんだけど、段々と酷くなって、勝手にデスクの持ち物を漁られたり、マンションで待ち伏せされたりして…ほんと最後はストーカーだったわ」

「それで…その人はどうしたんですか?」

「私が休暇をもらっている間に解雇されたの。その後、事情を知った奥様が会社に謝罪に来られたそうでね。副社長は奥様のご実家のある地方に一緒に連れて行って、私にも会社にももう関わらない様にさせます、と言って下さったと聞いたわ」

「そうなんですか……それは怖かったですよね…」

「えぇ……本当に。怖いのもあるけど、仲間に迷惑をかけてしまって」

「いえ、きっとお仲間さんは迷惑だなんて思ってませんよ!だって公佳さんだって困ってる同僚がいたら助けるでしょう?皆さんも一緒ですよ!ね?伊織?」

「あぁ、迷惑だったら助けないだろうしな、ははは」

「乃愛ちゃん……伊織……ありがとう…」

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