見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
「じゃあまずはお土産な。旭は飛行機が好きなんだって?」
「うんっ、ぼくパイロットになるのー」
「へぇ、じゃあ旭がパイロットになったら乗りに行かないとな」
「うんっ!」
「そんな旭にはこれな」
と飛行機のおもちゃを渡した。
「うわぁ、かっこいー!ねーパパ、これにっぽんのひこーきじゃないよー!」
鼻息荒く言う旭がかわいいな。
「あれ、ほんとだ、見ない色だな」
「旭、よく知ってるな!そうだよ、アメリカの飛行機だぞ?」
「うわぁ、すごい!かっこいー!ぼく、このひこーきにのるー!」
「旭、まだあるぞ。じゃあこっちのはわかるか?」
と、もう一つ、同じ形だけどデザインの違うものを差し出した。
「あっ!これ、日本さくら航空のだ!」
「よく知ってるなー、旭」
「いやマジで今、飛行機熱がすごくてさ」
って諒は苦笑してるけど、何かしら好きなものがあるっていいよな。
「旭、伊織くんと乃愛さんが旭に、って。よかったな」
そう諒にアシストされた旭は、
「いおりくんっ!のあちゃんっ!ありがとぉございますっ!」
って二つの飛行機を持ったまま、ぺこりと頭を下げて言った。
「ふふ、どういたしまして。御守のお礼だよ」
「旭、ちゃんとありがとうが言えるんだな!偉いな!」
「うんっ!」
元気のいい返事をすると、飛行機を持って遊びだした。
「マジで子供ってかわいいな…」
「ん、ほんと。旭くんだから余計にそう思えるのかもだけどね」
それから諒と麻依さんにもお土産を渡しながら話していたら、諒が聞いてきたんだ。
「そういや伊織達は子供はつくらないの?」
あぁ、それなら…と話しだそうとしたら。
「あっ諒、子供の話はデリケートなんだから、むやみに聞いちゃだめだよ?」
と麻依さんが諒を優しく咎めた。
「えっ、そうなんだ…あっごめん、伊織。乃愛さんも」
って、それを素直に聞く諒もすげぇよな。
「いや、大丈夫だよ、諒。麻依さんもありがとう。俺らは聞かれても困らないから大丈夫。でもそっか、そーゆうもんなのか」
「うん、今はそうみたい。ほら…欲しくてもできない夫婦もいれば、あえてつくらない夫婦もいるからね。だから…簡単に自分達が当たり前だと思っては言えないのよね」
「そうなんですね…なるほど」
「私も子供ができて、他のママさん達と話すようになって初めて知ったんだけどね」
「そっかぁ…じゃあ子供ができたらまた麻依さんに色々と聞いてもいいですか?」
「もちろん!分かることなら何でも教えるよ!…てことは、考えてるってことね?」
「はい!こっちに帰ってきたらつくりたいね、って。ね、伊織」
「あぁ、アメリカで妊婦さんになったら乃愛が大変だからな。日本で落ち着いた環境でと思って」
「そっかぁ…じゃあコウノトリが早く来るといいね」
「はい、ふふっ」
「うちも、もう一人か二人欲しいな。なぁ麻依?」
「えっ、あと二人?ふふっ、それもいいかもね。諒の子どもなら何人でもいいよ、ママ、頑張るから」
「俺はパパとして、夫として、いつでも麻依を支えるよ。だから俺の子、たくさん生んで?…あっ!でもそしたらまた赤ちゃん育児で麻依を取られちゃうのか……んー……でも子どももかわいいんだよな…んー…」
「ははっ、諒はほんと麻依さん大好きだよな。あっ、諒に聞いて欲しい事がたくさんあるんだよ。もー…乃愛が愛しくて可愛くて仕方がないってこの気持ちは諒にしかわかってもらえないと思うからさ」
あと…俺が猛省したあの件も聞いてもらおう。
さすがに諒は俺みたいなマヌケなことはしてないだろうなぁ…
「いいね、それは楽しみだな。あぁ、俺も教えてもらい事あるし。な、麻依?」
「ん?…っあ、いやいやいやいや!それは教えてもらわなくていいからっ」
「フッ、じゃあ麻依、楽しみにしててよ」
「だっだからいらないってばっ!もぅ…あっ!じゃあ…そしたら私も教えてもらおうかな、諒が喜んでくれそうなこと」
「そそそれはダメだって!そんなこと伊織に聞いちゃダメだって」
「えっ、ヤダ。私も教えてほしい!」
「ダメだって…お願いだからそれはやめて、麻依…」
「むぅ…」
「ふふっ、じゃあ私が麻依さんに教えますよ。麻依さん、後でお話ししますね」
「えっ、ほんと?やった!乃愛ちゃん、ありがとう!ふふっ」
「えぇっ!?いや、乃愛さん…それを伝授されると俺がもたないから…」
「ぶふっ!」
諒のその返答につい吹き出しちゃったよ。
「だーめ。諒、お互い様だからね?ふふっ」
「まーいー…大好きー…」
…ほんと、この夫婦は俺達の理想だな。
ははっ。