見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
……は?
…いきなりの突拍子もない発言に、その場にいた全員が固まった。
そんな中、いち早く反応したのは瑠那さん。
「えっと…ごめんなさい、どういうことかしら。ちょっと意味がわからないんだけど」
「え?そのまんまですよ?だって、この子のパパは伊織くんですからぁ、うふふ」
「「「はあぁぁ!?」」」
それには俺も早く反応した。
「その嘘は聞き捨てなりませんね」
「嘘じゃないよ?だってあの夜、愛し合ったじゃない、あたし達…」
「一切そんな事してません」
「うそうそ、あんなに愛し合ったのにそんな事言うなんて…ユキ、悲しい…」
はぁ……俺はまたあの時と同じく、憚りなくため息をついた。
すると今度は乃愛に矛先を変えてきた。
「ノアさぁん、この子も伊織くんの血を引いた子だからぁ、その子と兄弟になるんだぁ、ごめんね?…あ、でもでもぉ、その子ってもしかして森くんの子だったりして…そしたらぁ、伊織くんの奥さんはあたしになっちゃうよね?なーんてね、ウフフッ」
はぁ……
そんなくっだらなくバカバカしい言葉にイラッとしつつも、乃愛が心配で大丈夫かと見たら…
乃愛は俺を見て、ふふっ、と…笑った。
「…乃愛?」
「ふふ、伊織が私以外の人と子どもをつくるなんてあり得ないから。あ、私もだよ?伊織以外の人の子どもなんてあり得ないもん」
曇りのない目で俺を見て、そう言ってくれた。
「乃愛…ありがと…もちろん俺もわかってるよ。礼翔はどっからどう見ても俺の子だ」
当たり前のように俺を信じてくれてることがすげぇ嬉しくて、礼翔を抱えたまま乃愛を抱き締めた。
「でもでもぉ、愛し合ったのはホントなんだよ?」
「じゃあお聞きしますが、あなたの言う愛し合った日っていつですか?」
「えっとぉ、何年か前にノアさんも一緒にお正月に来たでしょぉ?それでぇ、夜に新田くんとか園田くんとかと飲んだ、あの日だよ?」
……あぁ、やっぱ例の日か。
「飲み屋を出てからただただ意味もなく一時間近く歩かされたヤツですか」
「違うでしょお?ホテルに入ったじゃない…ほらッ」
と、バッグから写真を一枚取り出して、その場のみんなに見せた。
そこには確かにホテルの入口に入る俺とユキさんが写っている。
「あぁ、急に腕をあらぬ方向に引っ張られて入らされたから、一秒でソッコー出たやつですね」
「みんなの前だからってそんな嘘言ってぇ…この子ができたのが証拠だってばぁ。それにそのソッコーで出たってゆう証拠もないでしょ?」
はぁ…あまり強い言い方はしたくねぇけど仕方ないよな。
「…じゃあ、DNA鑑定しますか、その子と俺の親子鑑定」
これで諦めてくれるだろ。
「うん、それでもいいよ?絶対伊織くんの子だから。うふふっ」