見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
「その鑑定センターのヤツとグルなんでしょ?さっきの写真もそいつに撮らせてさ」
「えっ……」
「もしかしたらその子の父親もそいつ、なんじゃない?」
「なっ…何で……」
「俺さ、姉ちゃんをホテルに送ってから快斗に代わって楠さんを見張ってたんですよ。…って言えばわかります?伊織さんと駅で別れてからの楠さんが、誰と落ち合って、どこに行ったのか…を知ってるんですよ。もちろん録画の証拠もある。俺もただのガキじゃないからさー」
と、快斗と同じ様に、スマホを出して軽く振った。
「え……」
「ま、鑑定センターの男ってのは後日ホントにたまたま知ったんだけどね。友達の就活の時にそいつを見かけて、ちょっと調べさせてもらったよ。…楠さんとそいつの関係もね。わざわざ伊織さんと同じ血液型の男を見つけるとか、ほんと計算高いよねー」
「そ…んな……何で……」
ここまで言われて、図星だったのかユキさんの顔色が一気に悪くなった。
「だから姉ちゃん、安心してよ、伊織さんは清廉潔白だから」
「健斗も快斗も…あの日そんなことまでしてくれてたんだね…ほんとにありがとう。…私は伊織はそんなことしないって分かってるけど、確固たる証拠があるのはやっぱり強いよね」
「さすが姉ちゃん!伊織さんの事、信じてんだね!」
「当たり前じゃない、こんなに私と礼翔を愛してくれる素敵な人だもん。ふふっ」
「乃愛……ケンもカイも…ありがとな……俺、マジですげぇ嬉しいわ」
ってちょっと涙目。
「何言ってんのさ、伊織さんは俺らの兄ちゃんなんだからさ」
「それに姉ちゃんのこと大好きなのも知ってるし」
「お前らやべぇって…マジで泣きそうなんだけど」
ってか、もうすっかり涙出てんだけどさ…
「あはっ、あっくん、パパにいいこいいこしてあげよっか、ほら、いーこいーこ、って」
って言われた礼翔が乃愛の真似して俺の頭を撫でてくれるからさ…
「乃愛…それ余計に泣けるから。つか、泣かせようとしてる?」
つったら乃愛が「そっそうじゃないよっ」て慌てて言うのが可愛くて「あーもぉ大好き」って抱き締めちゃったよ。
「…ってなわけで楠さん、どうします?まだ鑑定します?まぁするならこちらでもやるとこを選ばせてもらいますけど」
と快斗が強めに言うと、ユキさんは言葉に詰まった。
「楠さん、もう兄ちゃん達に関わらないで下さい。…これ以上何かしてくるようなら俺達だけじゃなく…社長や副社長達も黙っちゃいませんよ」
健斗も同じく強めに言った。
「…わかったわ……もう関わらない」
そう俯いたユキさんに…乃愛が話しかけた。
「楠さん、お子さんのこと、ちゃんと考えてあげて下さい。…あなたが伊織の事をお好きな事はその子には関係ありません。…あなたが伊織と結婚したいからって子どもをその道具に使うなんて…生まれてきたお子さんがかわいそう過ぎます!父親がどなたかは知りませんけど、伊織ではないんです。ちゃんと別にいるんです!…もう…お子さんを振り回さないであげて下さい!」
…目に涙を溜めて言った乃愛を見た瞬間、胸に電気が走ったようにドキッとした。
それは……いつも可愛らしい乃愛が、今は慈悲深い…強い母の姿だったから。
こんなにもよその子どものために、必死に厳しく言える乃愛が眩しく見えたんだ。
すげぇ…すげぇよ、乃愛…
俺、乃愛の夫であることが嬉しいよ…
そう思うと同時に、礼翔を大事に抱き締めてた。