見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
そんな思いを抱えて仕事帰りにクラブに寄った、12月初旬のことだった。
更衣室でトレーニングウェアから私服に着替え、クラブの玄関を出ようとした時に「相川さん!」と声をかけられた。
振り返ると30代後半?40代くらい?の見知らぬ男の人がいた。
「すみません…どちら様ですか?」
「僕、先月入会したばかりなんですけど、相川さんとお話してみたくて」
「え?」
「もう帰るんですよね?食事に行きませんか?」
笑顔で話し掛けてくるけど…
何で?…おかしい…なんか怖い…
「え…いや、すみません…もう帰りますので…」
「少しくらいいいじゃないですか。僕が車、出しますから」
…その気持ちの悪い笑顔のまま、私の肘を掴んできた。
「やめて下さい、行きませんので」
振りほどこうとすると更に強く掴まれた。
「痛っ…」
「…いいから行きましょうよ」
「や…」
ニタニタと笑う男が怖くて誰かに助けを求めようと思ったけど、人影が見当たらなくて…声を出す間もなく、あっという間に玄関から外に連れ出されてしまった。
履いているのがヒールのあるブーツだからか思うように足に力が入らず、引き擦られるように引っ張られていく。
気付くと駐車場の奥の方に停められている一台の車に近づいていた。
これは……まずい……
その男は車のドアを開け、私を助手席に無理やり詰め込んだ。
に…逃げなきゃ……
そう思った私は、男が運転席に乗り込むと同時に、助手席を飛び出した。
「あっ、逃げんじゃねぇよ!」
すぐさま男が運転席を出て追ってきた。
ブーツを脱ぎ捨て、街灯の明かりが遠い暗闇の中、スポーツクラブの建物をめがけて必死に走った。
その私の後ろの方から「おい!待てやコラ!」と怒鳴る声が聞こえる…
怖い……
誰か……誰か……
助けて……!
九十九さん……!
更衣室でトレーニングウェアから私服に着替え、クラブの玄関を出ようとした時に「相川さん!」と声をかけられた。
振り返ると30代後半?40代くらい?の見知らぬ男の人がいた。
「すみません…どちら様ですか?」
「僕、先月入会したばかりなんですけど、相川さんとお話してみたくて」
「え?」
「もう帰るんですよね?食事に行きませんか?」
笑顔で話し掛けてくるけど…
何で?…おかしい…なんか怖い…
「え…いや、すみません…もう帰りますので…」
「少しくらいいいじゃないですか。僕が車、出しますから」
…その気持ちの悪い笑顔のまま、私の肘を掴んできた。
「やめて下さい、行きませんので」
振りほどこうとすると更に強く掴まれた。
「痛っ…」
「…いいから行きましょうよ」
「や…」
ニタニタと笑う男が怖くて誰かに助けを求めようと思ったけど、人影が見当たらなくて…声を出す間もなく、あっという間に玄関から外に連れ出されてしまった。
履いているのがヒールのあるブーツだからか思うように足に力が入らず、引き擦られるように引っ張られていく。
気付くと駐車場の奥の方に停められている一台の車に近づいていた。
これは……まずい……
その男は車のドアを開け、私を助手席に無理やり詰め込んだ。
に…逃げなきゃ……
そう思った私は、男が運転席に乗り込むと同時に、助手席を飛び出した。
「あっ、逃げんじゃねぇよ!」
すぐさま男が運転席を出て追ってきた。
ブーツを脱ぎ捨て、街灯の明かりが遠い暗闇の中、スポーツクラブの建物をめがけて必死に走った。
その私の後ろの方から「おい!待てやコラ!」と怒鳴る声が聞こえる…
怖い……
誰か……誰か……
助けて……!
九十九さん……!