見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
とうとう土曜日…
会ったら辛くなるから…
会いたくないけど…
〝ずっと待ってる〞って書かれたら…
行かなきゃだよね…
会ったら今回の件を直接謝罪して…
すぐに帰ろう。
重い足取りで着いた…あの時以来の病院。
エントランス、だったよね…
はー……と一つ大きく息を吐いて、恐る恐る病院の玄関に入ると。
「乃愛ちゃん!」
すぐに九十九さんが私に気付いた。
「…九十九さん」
「良かった……来てくれたんだね…」
すごく嬉しそうな顔の九十九さん。
もう公佳さんに伝えて…それで機嫌がいいのかな…
「だって、ずっと待ってる、って書いてあったら…来ないとですよね…」
「ふ…いい子だな、乃愛ちゃんは。でもありがとう」
九十九さんの変わらない優しい笑顔にキュンとしてしまう…
あっそんなことより謝らなきゃだった!
「あのっ…この度は私のせいで本当に申し訳ございませんでした。かかった費用も私が出しますから!」
勢いよく深く頭を下げた。
「えっ何、ちょっと顔上げて?俺は謝罪してもらいに呼んだんじゃないよ?」
そう言われて頭は上げたけど、胸が痛くて…苦しくて…顔は見れなくて……俯いたまま言う。
「はい…それでもどうしても直接言いたくて……それじゃあ私はこれで失礼します。あの、治療や入院にかかった費用に関しては私の住所に請求書を送って下さい。本当に払いますので…お願いします。どうぞ、お体…お大事になさって下さい」
もう一度頭を下げて帰ろうとしたら。
「ちょー、ちょっと待って!何で帰んの!」
と、九十九さんに腕を掴まれた。
「…え?」
「待って、乃愛ちゃん…俺、乃愛ちゃんと話がしたい」
「話…ですか?」
「うん。きちんと…いろいろ話したいんだ」
「でも…」
きちんと…いろいろ…っていうのは…私の気持ちには応えられないっていう事ですよね…
これ以上…悲しい思いはしたくないから…
だからこのままお別れさせてほしいのに…
胸がぎゅ…と締め付けられるとじわりと痛みを感じ、また俯いた。
すると、九十九さんが明るい声で言い出した。
「あーじゃあさ乃愛ちゃん。俺にケガさせたって責任感じてるなら、退院のお世話して?今日」
…退院のお世話?
顔を上げると、九十九さんの笑顔がちょっとだけ意地悪そうに見えた。
「え、今日って退院されるんですか?」
「うん、だから私服でしょ?ほら」
「あ…」
言われてみればそうだ。
そこまで頭が回らなかった…
「乃愛ちゃん、車で来たの?」
「はい」
「じゃあさ、荷物持って送ってくれる?俺んちまで」
「…はい、それくらい全然いいですけど」
「よし、決定!じゃあ行こうか」
「あっ、はい…」
こうして私は急遽、九十九さんの退院のお世話をする事になった。
会ったら辛くなるから…
会いたくないけど…
〝ずっと待ってる〞って書かれたら…
行かなきゃだよね…
会ったら今回の件を直接謝罪して…
すぐに帰ろう。
重い足取りで着いた…あの時以来の病院。
エントランス、だったよね…
はー……と一つ大きく息を吐いて、恐る恐る病院の玄関に入ると。
「乃愛ちゃん!」
すぐに九十九さんが私に気付いた。
「…九十九さん」
「良かった……来てくれたんだね…」
すごく嬉しそうな顔の九十九さん。
もう公佳さんに伝えて…それで機嫌がいいのかな…
「だって、ずっと待ってる、って書いてあったら…来ないとですよね…」
「ふ…いい子だな、乃愛ちゃんは。でもありがとう」
九十九さんの変わらない優しい笑顔にキュンとしてしまう…
あっそんなことより謝らなきゃだった!
「あのっ…この度は私のせいで本当に申し訳ございませんでした。かかった費用も私が出しますから!」
勢いよく深く頭を下げた。
「えっ何、ちょっと顔上げて?俺は謝罪してもらいに呼んだんじゃないよ?」
そう言われて頭は上げたけど、胸が痛くて…苦しくて…顔は見れなくて……俯いたまま言う。
「はい…それでもどうしても直接言いたくて……それじゃあ私はこれで失礼します。あの、治療や入院にかかった費用に関しては私の住所に請求書を送って下さい。本当に払いますので…お願いします。どうぞ、お体…お大事になさって下さい」
もう一度頭を下げて帰ろうとしたら。
「ちょー、ちょっと待って!何で帰んの!」
と、九十九さんに腕を掴まれた。
「…え?」
「待って、乃愛ちゃん…俺、乃愛ちゃんと話がしたい」
「話…ですか?」
「うん。きちんと…いろいろ話したいんだ」
「でも…」
きちんと…いろいろ…っていうのは…私の気持ちには応えられないっていう事ですよね…
これ以上…悲しい思いはしたくないから…
だからこのままお別れさせてほしいのに…
胸がぎゅ…と締め付けられるとじわりと痛みを感じ、また俯いた。
すると、九十九さんが明るい声で言い出した。
「あーじゃあさ乃愛ちゃん。俺にケガさせたって責任感じてるなら、退院のお世話して?今日」
…退院のお世話?
顔を上げると、九十九さんの笑顔がちょっとだけ意地悪そうに見えた。
「え、今日って退院されるんですか?」
「うん、だから私服でしょ?ほら」
「あ…」
言われてみればそうだ。
そこまで頭が回らなかった…
「乃愛ちゃん、車で来たの?」
「はい」
「じゃあさ、荷物持って送ってくれる?俺んちまで」
「…はい、それくらい全然いいですけど」
「よし、決定!じゃあ行こうか」
「あっ、はい…」
こうして私は急遽、九十九さんの退院のお世話をする事になった。