見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
「じゃあ、結婚前提ってことでいい?」



…はい?

結婚…前提?


いきなりの「結婚」ていう言葉に驚いたけど、まぁ普通に考えたらそうなるよね…遊びのお付き合いだなんて考えてないし。

「えっと…はい、お付き合いするならそのつもりですけど…」

そう答えると、ソファから降りて床に膝を着き、姿勢を正した九十九さんが私を正面に見据え、私の両手をそっと握った。


「乃愛ちゃん、俺と結婚してください」


へ?…えぇえ!?

これ結婚の申し込み…ってプロポーズ!?

しかも今!?


ちょっと待って、混乱してる……


えっと、結婚…?
九十九さんと?
私が?

ほんとに?

あ、ドッキリ?
…なんて言葉が頭をよぎるも九十九さんの目は真剣で。


だから私は九十九さんを信じて…

「はい、よろしくお願いします」

と笑顔で快諾した。


「あぁーよかった!めっちゃ嬉しい!絶対幸せにする!俺も幸せになる!」

私の返事を聞いた九十九さんは、私を右腕で抱き締め、抱えるようにしている私の頭にグリグリと頬擦りしてる。


「でも、そんな簡単に決めちゃっていいんですか?私のこと、よく知らないですよね?まだお付き合いもしてませんし…」

ふと疑問に思い、グリグリされながら質問を投げ掛けた。

「俺は簡単になんて決めてないよ。出逢いは突然だったけど、指導しながらずっと見てきた乃愛ちゃんだから、結婚して俺だけのものにしたいと思ったんだよ。それにお互いの事はこれから知っていけばよくない?」

「そうですけど…でも、ここは嫌だ、ってのが絶対出てきますよね?そしたら簡単には別れられないっていうか…」

「え、俺、乃愛ちゃんと離婚する気はないよ。たぶん嫌な部分はないし、どうしても気になることはちゃんと伝えて、お互いが妥協してけばよくない?」

「私…そんなデキる女じゃないから絶対嫌な部分が見えてきますよ」

「俺さー、たぶん乃愛ちゃんの言う〝嫌な部分〞を嫌だと思わないよ。それも含めて乃愛ちゃんでしょ?俺は乃愛ちゃんの全部を愛するから、嫌な部分だとは思わない。どれも乃愛ちゃんだから」

「………」
そんなことを言われたのは始めてで、返す言葉が出てこなかった。

「じゃ、何も問題ないよね?」
…何気にドヤ顔。

「…もう何を言っても勝てなさそうだから、問題なしでいいです。ふふっ」

でも、ここまで想ってくれて、その気持ちを伝えてくれるのってすごく嬉しいな。
私も恥ずかしがらずに伝えるようにしないとだね。

< 50 / 260 >

この作品をシェア

pagetop