見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
部屋で乃愛が作ってくれた昼ごはんを食べながら、俺は考えてた。


「乃愛。少しの間、クラブに来ない方がいいかも」

「え?何で?」

「逢坂さんの動向を注視したいんだ」

「それって?」

「逢坂さんがこっちに来た意図がわからないからさ。乃愛に近づくためにこっちに来たのか、ほんとに俺を追って来たのか、或いは両方か…」

「私…?」

「うん。…俺の、このケガの事件も気になってんだよ。あの男の言い方がちょっとな…。最初からあの男が一人で乃愛を狙うには腑に落ちない点が多すぎて。何だっけ…乃愛の方がタイプだとか、あの女は逃したけど、とかって言ってただろ?…てことは主犯か共犯がいるんじゃないかって」

「あ、うん…そうかも…」

「それに逢坂さんが一枚噛んでるかはわからないけど、タイミング的に合いすぎてて気になるんだよ」

「まさか…」

「…乃愛の知り合いを疑うのはよくないとは思うけど、でも恨み…逆恨みでも…あれば、狙われてもおかしくないからな。何か彼女に恨まれる事とか、思い当たることはない?」

「んー…何だろう…確かにあの時はすごく睨まれてたけど。慰謝料を払わせた事…?あとは何だろう…。葉月は婚約者がいて玉の輿に乗るっていうのは聞いてたけど、その話がなくなったとか…?その後の事は私も知らなくて…。でも葉月、宏哉の他に同僚の男性とも付き合ってたみたいだし…」

「玉の輿か…。もしそれがダメになってたら恨まれる可能性もあるってことか…」

「え…」

「多分、まだ乃愛と俺の関係はバレてねぇと思うけど、もしバレたら乃愛は更に悪意を持たれるかもしれねぇな…。ん、わかった。来週からは俺が運転して通勤するから、乃愛はここに住んで」

「え?もう住むの?」

「あぁ、一人にさせるのが心配だからな」

「伊織さん…」

「だから、ちょっと急だけど北海道行くか、これから」

「は、……い?」

「ご両親に挨拶しないとだろ?」

「は?え?…これから…北海道!?」

「あぁ、これは俺もちょっと急展開だけどな。でもだからこそ、親御さんに会っておきたいんだ」

「伊織さん…ありがとうございます」

「よし。じゃあ俺はチケット取るから、乃愛は泊まりの準備してて。取れたら親御さんに行く旨を連絡してもらえるとありがたいかな」

「あっ、はい!もちろんです!とりあえずその前に伝えておきます」

「さんきゅ。頼むな」




こうしてドタバタながら、俺達は何とか今日中に札幌入りすることができた。

俺は明日、親御さんに会う事になってる。

俺は市内のホテルに泊まり、乃愛は実家に帰らせた。

同棲の許しを請いに来たのに、その前に堂々と一緒に泊まるとか、ちょっと失礼だもんな。

…昨日は泊まらせたけど、まぁ抱いた訳じゃないし、これは許容範囲ってことで。



正直、俺は同棲も結婚もすんなり許してもらえるとは思ってない。
でも、俺の乃愛に対する気持ちはぶつけるし、現状についてもしっかり話すつもりだ。

というか、全てを話す。

それでダメなら、許してもらえるまで何度でも話すまで。

俺は絶対に乃愛を諦めない。
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