見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
でも、乃愛は俺を抱き締めたまま、こう言ってくれた。


「私は伊織さんのものだよ。誰のところにも行かない、心も体も。私は…伊織さんから絶対離れないから」


その言葉は確か…乃愛が不安になった時に俺が言った言葉そのもの…

それを思い出していたら、乃愛が俺を見上げた。


「私も伊織さんと同じだから」


その…優しい表情がマジで……キラキラと輝いて見えて……まるで本物のダイヤモンドみたいで……

俺は、このダイヤを絶対に離さない!

そう強く思って。


……だから……


「乃愛、俺…こんな弱い…頼りない男だけど……一生大事に愛するから…一生守っていくから……俺の奥さんとして…ずっと俺の隣にいて…ください」


もう…泣きながらの…グダグダで……だけど、心から溢れる想いを込めて…渾身のプロポーズをした。


もうプロポーズはしてあったけど、
アイツにプロポーズされたって言ってたから…上書きしたいのもあった。


こんな姿でカッコわりぃけど…
でもこれがほんとの俺。

自分でもわからなかった…
本当はすごく弱い俺。

一番カッコつけていたい相手なのに…
カッコ悪い俺をさらけ出したかった。


この矛盾をぶち壊せたのは乃愛が初めてで…
初めて…弱い俺を受け入れて欲しいと…願ったんだ。



だからこそ…乃愛の反応が怖かった。


でも……


「私も…伊織さんを…一生大事に愛します!伊織さん、大好き!」

乃愛が泣きながらそう言って…ぎゅう…っと強く抱き締めてくれた。

あぁ……よかった……
乃愛の変わらない返事にやっと安心できて、嬉しさが込み上げてきた。

「乃愛……ありがとう……愛してる……一生離さねぇからな」

「うん…うん……私も離れないから…」

俺もぎゅう…っと、愛する者の存在を確かめる様に、強く…優しく…抱き締めた。

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