愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする
「まいったな、まさかこのタイミングで寝るとは」

「昨日は遅くまで起きていて、今朝は早く起きたからだと思います」

 無事に羽田空港に到着し、タクシーで遼生さんの実家に向かう道中、凛は彼に抱かれて眠りに就いてしまった。かなり熟睡していてしばらく起きなそうだ。

 でも彼のご両親がどんな反応をするのかわからないし、かえってよかったのかもしれない。

「凛に会えるのをふたりとも楽しみにしていたから、残念がるだろうけど仕方がないな。凛が起きたら紹介しよう」

「……はい」

 遼生さんの言葉でも、しっかりと自分の目でたしかめるまでは信じることができないよ。

 タクシーの中からは見覚えのある景色が見えてきた。閑静な高級住宅街に入り、いよいよ対面するのだという緊張が増してくる。

 それを感じ取ったのか、遼生さんはそっと私の手を握った。

「大丈夫、緊張することはない。俺がついているから」

 そうだ、どんな態度を取られようと私には遼生さんがいる。彼と一緒に生きていくためにも乗り越えなければいけないんだ。

「はい、ありがとうございます」

 彼に勇気をもらい、私は四年ぶりに彼の実家を訪れた。

 高級住宅内でもひときわ目立つ大豪邸。大きな門扉が開くとさらに三十メートルほど歩いた先に本宅がある。

 芝生が敷きしめられた庭には花壇もあり、季節の花が咲き誇っていた。

 三階建ての家のドアの前には、五十代くらいの女性の使用人が立っていた。

「お帰りなさいませ、遼生さま」
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