愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする
 遼生さんに向かって深々と頭を下げた後、女性は私にも頭を下げた。

「お待ちしておりました、どうぞ中へお入りください」

 四年前にはなかった歓迎の言葉に、驚きを隠せない。四年前も使用人に案内されたけれど、なにも言われずにご両親が待つリビングに案内されただけだった。

「お嬢様はどうなさいますか? 寝室をご用意しましょうか?」

「いや、目を覚ました時に驚くだろうし俺が抱いているからいい」

「かしこまりました。では後ほどブランケットをお持ちします」

「あぁ、頼む」

 使用人に案内され、四年前と変わらない大理石の廊下を進んでいく。通されたのは三十畳以上はある広々としたリビングだ。

 大きな窓からすぐに芝生の庭に出ることができて、外にはテーブルとソファが並んでいる。たくさんの日差しが降り注ぐ室内には、洗練されたデザインの家具が並んでいる。

 そして部屋の中央にある大きなソファ席には彼のご両親と、見知らぬ中年の男女がいた。

 思わず足を止めて遼生さんを見ると、彼も知らない人たちらしく困惑している。

 そんな私たちを見て中年の男女は目に涙を浮かべた。

「やっとお会いできた……っ」

「どれほどこの日を待ち飲んでいたか」

 口々に言いながら急に泣き出したふたりに、私と遼生さんは困惑するばかり。

 すると彼の父がふたりを紹介してくれた。
「ずっと遼生に会いたがっていたおふたりだ。……遼生が助けようとした女の子のご両親だよ」

「えっ?」

 驚きの声を上げる遼生さんに、女の子のご両親は駆け寄ってきた。

「初めまして、佐々木(ささき)と申します。四年前は本当にありがとうございました」
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