真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬致します。婚約破棄しましょう

 ふぅーっと深呼吸するセレスティーヌ。

「私は、愛というものに憧れがあります。子供っぽいけど……両親のように愛情溢れた家庭を作りたい、殿下の相手は私ではありません。邪魔をしたくないから……もし殿下に愛を感じていたらこんな気持ちにならないと思う…。政略で結婚する人も多いし、わたくしもそれならそれでいいと思っていたの、でも殿下は愛する人を見つけた、羨ましいと思いました」

 ラルフに、自分の思いを伝える。

「セレスの気持ちはわかった。今度さ、また王宮で夜会がある。パートナーとして参加してくれないか?」

「私は、ラルフお兄様から見ると子供だし、恥をかかせるかもしれません。婚約破棄された女ですし……」

 困った顔をするセレスティーヌ。

「なんで? 成人して立派なレディだろ? あんなに可愛いかったセレスがこんなに綺麗になってびっくりしたし嬉しかった……エスコートさせて貰える?」

「………私でよければ」

「セレスティーヌが良いんだよ」

「うん」


 ラルフが帰ったあと、余韻に浸っていたらサロモンが会いたいと邸に来たが、勿論断った。ラルフが会いに来てくれて嬉しかったのに気分が下がった。

 なんで、邸にまで来るんだ! また頭痛がした。よし、寝よう。
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