悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
 もしクリストファーと先輩を会わせたらどうなるのか。その時、皇太子が私の婚約者だったらどうなるのか。考えただけでも楽しくなった。

「ええとねぇ、皇太子と私の婚約を発表して! そうしないと皇帝と皇后を殺すって言えば来るでしょう? それともユーリエスの指名手配を解くって言ったら来るかなぁ?」
「承知しました。皇太子に関しては、その両方を伝えればよろしいかと思います」
「そっか、じゃあそうして。それとは別でユーリエスも早く連れてきて」
「かしこまりました」

 ああ、本当に一番って最高! なんでも私の自由にできて、面倒なことは全部命令ひとつでやってくれるし! もっと早くこうしておけばよかったなぁ。

「はー、これで先輩のブッサイクな泣き顔が見れるかな〜。いつもウザかったんだよねぇ〜。ふふふ、私が思いっ切りざまあしてあげるわ!」

 自分の思い通りに進む現実は、神様が与えくれたギフトなのだとこの時は思っていた。



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