悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。

7話 ダラの時間がやってきた

     * * *



 ついに、ついにダラの時間がやってきた。

 かつてこれほどまでにダラの時間に期待を抱いたことがあっただろうか?

 答えは否。前世ではいつも夕方には翌日の仕事のことが頭をよぎり、ほんの数時間しかダラの時間を堪能できなかった。帝国に来てからの一カ月間も目的のないダラだったから、これほどまでに心ときめかなかった。

 新商品の開発を終えた瞬間、もう私の心はふわふわと軽く、なーんにもしない時間のことで頭がいっぱいだった。

 私はドレスを脱ぎ去り、ゆったりとしたシフォンドレスを見にまとう。

 飲み物とつまみ食い用の焼き菓子を用意する。甘いものを食べたらしょっぱいものも欲しくなるので、塩の効いたミックスナッツも準備しておいた。

 食事ついてはフレッドに面倒をかけるのが申し訳ないので、ダイニングテーブルでいただくことにしてある。

 ただし、この貴族令嬢でいうところの部屋着であるシフォンドレスのまま、食事をいただく。この家にはフレッドしかいないし、前世では真夏は特にタンクトップとショーツ一枚だった私から見ればちゃんとしている方だ。

 それからベッドの上に大きめのクッションをふたつと、小さめのクッションを何個か置けば完璧だ。

 フレッドにはすでにダラの時間に入ると宣言してあるので、よほどでなければ寝室までやってこない。
 グイーッと伸びをして、思いっ切りふかふかのベッドにダイブした。

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