悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
「謙虚な姿勢も皇太子妃にピッタリですわ。ユーリ様はわたくしにも親切で、もう姉のように感じてますの。もうお姉様とお呼びしてもよろしいかしら?」
「ミカエラ、それはいいな。そうすれば他の貴族にユーリが俺の伴侶になるのだとアピールできる」
「はははっ、少しばかり気が早いのではないか、アルフレッド」
「そうですね、まだ婚約もしておりませんし」

 そうそう、気が早いと思います! 全力で同意いたします!!

「そんなことはありませんわ。あのアルフレッドがこんなにも結婚に乗り気だなんて、かつてないことですのよ」
「ああ、ユーリ以外とは絶対に結婚しない」
「うふふ、わたくしもユーリ様以外はお姉様と認めませんわ」
「ははははは……」

 ダメだ……! まったくもって私の意見など通用しない!! 皇帝陛下も皇后陛下も、フレッドの結婚にめちゃくちゃ乗り気になってる——!!

「ユーリ、ずっと大切にするから」

 そしてフレッドにトドメを刺され、私は真っ白に燃え尽きた。


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