推しがいるのはナイショです!
資料室で過去の資料を探していると、同じように書類を探しているらしい女性たちの小さい声が奥から聞こえてきた。あれはたしか人事部の子だ。
「……それ、本当?!」
「し、声が大きい」
「だって、五十嵐課長が」
その言葉に、私の動きも止まる。
(五十嵐課長?)
本人たちはひそひそ声のつもりだろうけれど、興奮しているのかちょっと耳をすませれば聞こえてしまう声量だ。
聞いてはいけないと思いつつ、ついつい耳をそばだてる。
「で、辞めるっていつ頃?」
(え?!)
「一応、今期一杯ってことらしいよ。ショックよね、憧れてたのに」
「会社にとっても損失じゃない? あの人若手では随一のやり手じゃん。ヘッドハンティングでもされた?」
「事情は聞いていないけど、部長たちはあっさりしたものよ。もうちょっと引き留めてもいいのに」
「残念よね」
彼女たちも落ち着いたのかその後の声は小さくなって、すぐに資料室を出て行ってしまった。
残された私は、資料を探しながらぐらぐらする頭で先ほどの話を反芻する。
課長が、会社を辞める?
人事部からの話なら、完全な間違いではなさそう。なにかそう確信させる件でもあったのかな。
ショック……私も、ショックだよ……
☆
「……それ、本当?!」
「し、声が大きい」
「だって、五十嵐課長が」
その言葉に、私の動きも止まる。
(五十嵐課長?)
本人たちはひそひそ声のつもりだろうけれど、興奮しているのかちょっと耳をすませれば聞こえてしまう声量だ。
聞いてはいけないと思いつつ、ついつい耳をそばだてる。
「で、辞めるっていつ頃?」
(え?!)
「一応、今期一杯ってことらしいよ。ショックよね、憧れてたのに」
「会社にとっても損失じゃない? あの人若手では随一のやり手じゃん。ヘッドハンティングでもされた?」
「事情は聞いていないけど、部長たちはあっさりしたものよ。もうちょっと引き留めてもいいのに」
「残念よね」
彼女たちも落ち着いたのかその後の声は小さくなって、すぐに資料室を出て行ってしまった。
残された私は、資料を探しながらぐらぐらする頭で先ほどの話を反芻する。
課長が、会社を辞める?
人事部からの話なら、完全な間違いではなさそう。なにかそう確信させる件でもあったのかな。
ショック……私も、ショックだよ……
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