推しがいるのはナイショです!
「違う違う! 友達だよ」
 それも違うけれど、ややこしいことになりそうだからとりあえずはそう言っておく。

 ちなみに、偽名に使った『るな』の『る』は留美からもらった。留美の『る』と華の『な』で『るな』。案外かわいいんじゃないかと思って気に入っている。
 そして、『五十嵐』はもちろん課長の名前で……これは絶対内緒!!

「彼氏じゃないんだ」
「いたらまっさきに留美に話すわよ」
 そう言ったら、留美は嬉しそうに笑った。
「彼氏といえば、五十嵐課長がさ」
「なんでそこで課長が出てくるのよ」
 留美が少し声を落とした。

「あれ絶対華に気があるわよ。何かと華には用事をみつけて話しかけてくるじゃない。」
「ええ? まさか」
 そう言われるのはちょっと嬉しいけどさ。

「高塚さんには仕事だってろくに話しかけないわよ」
「そうだっけ」
 なぜ高塚さん、と思って留美の視線を追うと、その高塚さんが営業の男性に声をかけているところだった。
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